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大学を卒業してアトリエ建築設計事務所に就職し、建築の設計に携わって45年目になりました。よくもまあ、ここまで生きてこられたなと思っています。そのアトリエ事務所で初めてパッシブソーラーというものを知り、その後一貫して環境建築を意識しながら設計を進めてきました。今年から省エネ法が改正になり、私が目指す建築が標準になってきたと感じてきています。
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最初のパッシブソーラーハウスは計画だけだったのですが、房総半島先端に計画された別荘でした。南壁に厚いRC壁を配置し、この壁に集熱しようというものでした。へぇ~、そんなこと考えるのだと当時思いました。そのころ、奥村昭雄先生の考案されたポット式石油ストーブを利用した床暖房システムを学び、成田の別荘で実施しました。その後これも奥村先生が開発した「OMソーラー」という太陽光集熱システムを学び、これは現在でもことあれば実践しています。OMは自宅にも採用し、日々OMの空気を実感しています。その後、OMソーラー協会がVOLKS HAUSというOMソーラー搭載の高断熱・高気密企画プレファブ住宅開発草創期にかかわりを持ち、その時にいかに木造住宅の気密性が重要なのかを知りました。
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「VOLKS HAUS」は現在当然のようになっていますが、集成材金物工法を使っています。それに断熱材気密フィルムを組み込んだ外壁パネルを工場生産して現場で組み立てるという工法で、窓はカナダ製ローウェン社の木製サッシでした。この建物は気密性が高く、C値:0.5cm2/m2が計測されました。わが家はちょっと違いますがRコントロールパネルという断熱外壁パネルを使いました。この時初めて気密テストというものがあることを知り、木造住宅を新築するときは必ず実施するようにしています。★
それと基礎断熱は必ず設置するようにしています。わが家は1階RC造、2、3階が木造です。OMソーラーが入っていますが、RC造部分に外断熱をしていませんでした。これが寒いので、自分でフレキ+スタイロフォームパネルを貼りつけました。そしたらなんと翌日から暖かくなりました。これほど基礎外断熱は効果があるのかと実感しました。タイトモールドという型枠がEPS製のものがあります。最近はこれを使うようにしています。この型枠はEPSですから軽いのです。誰でも型枠を片手で放り投げることができ、施行が楽に早くできます。タイトモールドで施工した家は、床下が暖かいです。地面の暖かさ地熱を実感できます。★
改正省エネ法によって、住宅の性能が上ることによって、電気・ガスの消費が減ることは地球環境に間違いなく良いことと思います。その上に窓の性能が重要になります。現在は変わってきていますが、アルミサッシ時代は終了になると思います。樹脂サッシ、木製サッシに変わると思います。私は、予算があれば木製サッシを採用します。樹脂サッシもかなりの気密性・断熱性が保証されています。目標はヨーロッパのようなゼロエネルギーハウスをつくりたいなと思っていますが、予算的に相当ハイレベルになるので、なかなか実現には至っていません。木造住宅のリノベーションもいくつか手掛けています。リノベーションも耐震補強、断熱・気密補強を提案しています。インナーサッシは非常に効果があります。皆さん暖かいとおっしゃっています。★
墨田区にあるRC7階建て倉庫外壁に24年前、外壁緑化を施しました。フジ、ノウゼンカズラ、ヘデラを外壁に這わせました。今は一面緑に覆われ、オナガが営巣し、ここに都会の森ができているように感じます。室内はグリーンカーテンが外壁温度を抑制し、夏涼しい空間になっています。屋上緑化も実践し、直下階のフットサルコート遮熱に効果を上げています。緑や水を使うことによって、建物環境をパッシブなもので温度管理が可能になると思います。地中熱利用やいろいろなものを使い快適な建築環境をこれからもつくっていきたいと考えています。

佐賀井 尚(さかい・たかし)
東京都建築士事務所協会常任理事・世田谷支部、尚建築工房
1956年 栃木県生まれ/1980年 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、(株)ランド計画研究所勤務/1990年 尚建築工房設立
1956年 栃木県生まれ/1980年 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、(株)ランド計画研究所勤務/1990年 尚建築工房設立








