東京消防庁連絡会議開催
令和7(2025)年6月2日(月)@本会会議室、Web会議併用
吉田 博(東京都建築士事務所協会理事・中央支部、株式会社ポリテック・エイディディ)
東京消防庁のみなさん。
質疑応答の様子。

 毎年恒例となっている東京消防庁と本会共催の「東京消防庁連絡会議」が本会会議室において開催された。この会議では東京消防庁からの消防行政に関わる最新情報の提供と、本会からの設計実務に係る要望を基に質疑と意見交換が行われ、両者の貴重な意見交換の場となっている。
 東京消防庁からは、山𣘺大輔予防部副参事、上島基英予防課建築係長以下12名にご出席いただき、本会からは杉本由美子副会長、小松達也専務理事以下、Web参加を含め16名が出席した。以下東京消防庁からの連絡事項を中心に報告する。

消防用設備等の設置単位に係る基準の改定
 政令第8条の全部改正に伴い、令和6(2024)年消防庁告示第7号が4月1日に施行された。その中で別棟基準が整理され「消防長又は消防署長が認める壁等」(告示第7号第6)において新基準の策定および基準の明確化が行われた。
表①
排煙設備に係る技術上の基準の特例の策定および一部変更
 消防法による排煙設備について、防火対象物の大規模化および多様化への対応のため、火災シミュレーションを用いた検討等により特例基準を改正。(令和7/2025年3月26日変更・追加)

(1)排煙口の免除
 ア 面積が小さく火災及び煙を局限化できる室
 イ 面積が小さく隣接室と一体的に煙制御ができる室
(2)押出排煙方式における排煙風道への排煙機設置緩和
(3)高天井室における防煙区画の面積緩和
(4)高い開放性を有する部分への排煙設備の設置緩和
連結送水管の基準改正と消防用水の特例の件
(1)連結送水管の放水口及び非常コンセントの設置位置に係る取り扱いの一部が改正された。
(2)消防用水にかかる技術上の基準の特例が策定された。
・建築物の各部から一の消防用水迄の水平距離に係る特例
・消防用水を設ける位置に係る特例
図❶
例:消防用水の位置は、ポンプ車が停車する位置から採水口に結合できる距離以下であること
火気器具上部に設置される排気ダクト等に係る技術基準策定
 毎年継続して焼肉店火災が発生する中、七輪等の火気器具上部に設置される排気ダクトにおける基準が策定された。(令和7/2025年10月1日施行)
*この基準に関しては『コア東京』11・12月号にて詳報の予定。

【技術基準の概要】
グリス除去装置・防火ダンパー設置の明確化と設置位置の基準化(構造編)。
図❷
グリス除去装置および簿価ダンパの設置位置(例)
ダクトの部位毎の点検・清掃頻度の明確化(点検・清掃編)。
横ダクトの長さが1m以上の場合
図❸
 従業員等の関係者に対する出火防止指導(出火防止対策指導編)が策定された。
質疑応答
 当協会からは下記の8点の質疑を行った。
1. 電気/通信配線とガス配管兼用のPSについて
2. 不活性ガス消火設備及びハロン・泡消火等の消火剤について
3. ピット内の電気配線について
4. スプリンクラー感熱継手の扱い使用について
5. 厨房排気ファンの強制停止スイッチについて
6. 危険物倉庫の排気ファンの防爆対応及び室内露出機
7. 非常用エレベータ乗降ロビーの押出排煙について
8. 政令第32条特例に関する事例および適用ガイドラインの公開について

 紙面の関係でここでは紹介はできないが各質疑に関しても丁寧なご回答をいただいた。
 なお、年1回開催されている本連絡会議は東京消防庁も消防法令に関する設計者の要望を吸い上げる場として重要視しており、今後の活発な意見交換に向け会員各位からも多くの要望を法制委員会に寄せていただければ幸いである。
吉田 博(よしだ・ひろし)
東京都建築士事務所協会理事・中央支部、株式会社ポリテック・エイディディ
1957年 東京生まれ/1981年 横浜国立大学大学院修了後、清水建設株式会社入社/2017年 株式会社ポリテック・エイディディ代表取締役就任、現在、同社フェロー