審査委員長として、2度目の審査を終えました。
今回は応募要項で部門の見直しを行なっていて、戸建住宅部門と共同住宅部門を合わせてひとつの部門とし、一般の2部門と合わせて計3部門に再編しています。
3部門に総数67点の応募があり、うち23作品について現地審査を行い、最終審査会において東京都建築士事務所協会長賞1点、東京都知事賞1点、新人賞1点、リノベーション賞2点のほか、各部門の最優秀賞、優勝賞、奨励賞を選定しました。応募してくださったすべての設計者やクライアントの方々、また審査の準備等に尽力していただいた協会の皆さんに、この場を借りてお礼申し上げます。
東京建築賞は、賞の対象地を関東甲信越地方に広げているため、東京都以外に立地する作品も多く、現地審査はそれなりにエネルギーを要しますが、熱心に審査に当たられた審査員の皆さま方にも、心から感謝申し上げます。
最終審査会においては、現地に赴いた審査員ひとりひとりからすべての作品についての講評を聞き、併せて「A+」から「B−」までの6段階の評価をしていただきました。その結果に基づいて、総合的に評価の高かった作品から、全員で議論の上、上記の各賞の選出を行いました。
全部門を通して最優秀作品であるとの評価を得た「3rd MINAMI AOYAMA」が東京都建築士事務所協会会長賞となりました。これまでの賃貸オフィスビルが陥りがちな、紋切り型のガラスカーテンウォールのファサードを脱却し、インナーテラスおよびアウターテラスによる彫りの深い外観と、グリッド状の端正なサッシュ構成により、大変爽快で斬新な表情を創り出したことが高く評価されました。また、異なる用途地域にまたがるそれぞれの高さ制限を一体化するために、敷地全体の建蔽率を下げて建築のフットプリントを小さくすることで、通り抜け可能な緑豊かな公開空地を生み出した点も、極めて価値あるものと考えます。
都内に立地するものの中から、これに次ぐものとして評価されたのが、東京都知事賞を受賞した「MUFG PARK / LIBRARY」で、郊外に残された豊かな緑地スペースを積極的に都民に公開し、公園と一体となった潤いのある読書スペースを作り上げたことが特に評価されました。これらはいずれも建築が単に所有者に利するものとしてだけはなく、近隣の住民や、広く市民にとっても魅力的な空間を提供するものであり、まさにこの賞にふさわしいものと感じられました。
リノベーション賞と一般部門一類の最優秀賞に輝いたのが「花重リノベーション」で、谷中の墓地にある江戸時代からの花屋の建築群を改修、さらに半屋外のスペースを増築して、独特の空間を生み出しています。中でも細身の鉄骨による架構は、密度の高いディテールによって実現されており、見るものを唸らせました。
一般部門二類で最優秀となったのが「城西大学坂戸キャンパス23号館(JOSAI HUB)」で、郊外立地する大学の文理融合型の新しい教育に対応する、施設全体がキャンパスのハブとして広場のように機能する新校舎棟です。それまでなかった学生たちの生活の拠り所となる空間が無数に生まれています。
住宅部門の最優秀賞は「段庭の家」。住宅の密集する都心地で、最低限の接道しかない狭隘な敷地でありながら、各階に心地よい日照を採り入れることのできる断面のスキームが秀逸です。段々型のボイド空間の中に各階がスキップする構成で、屋上も含めて大変楽しい生活が目に浮かびます。
その他の優秀賞作品、奨励賞作品も総じてレベルが高く、東京建築賞の目指す作品性と公共性のあるべき姿を大いに喚起するものでした。これらがさらに今後の収集な建築を生む端緒となることを期待しています。
今回は応募要項で部門の見直しを行なっていて、戸建住宅部門と共同住宅部門を合わせてひとつの部門とし、一般の2部門と合わせて計3部門に再編しています。
3部門に総数67点の応募があり、うち23作品について現地審査を行い、最終審査会において東京都建築士事務所協会長賞1点、東京都知事賞1点、新人賞1点、リノベーション賞2点のほか、各部門の最優秀賞、優勝賞、奨励賞を選定しました。応募してくださったすべての設計者やクライアントの方々、また審査の準備等に尽力していただいた協会の皆さんに、この場を借りてお礼申し上げます。
東京建築賞は、賞の対象地を関東甲信越地方に広げているため、東京都以外に立地する作品も多く、現地審査はそれなりにエネルギーを要しますが、熱心に審査に当たられた審査員の皆さま方にも、心から感謝申し上げます。
最終審査会においては、現地に赴いた審査員ひとりひとりからすべての作品についての講評を聞き、併せて「A+」から「B−」までの6段階の評価をしていただきました。その結果に基づいて、総合的に評価の高かった作品から、全員で議論の上、上記の各賞の選出を行いました。
全部門を通して最優秀作品であるとの評価を得た「3rd MINAMI AOYAMA」が東京都建築士事務所協会会長賞となりました。これまでの賃貸オフィスビルが陥りがちな、紋切り型のガラスカーテンウォールのファサードを脱却し、インナーテラスおよびアウターテラスによる彫りの深い外観と、グリッド状の端正なサッシュ構成により、大変爽快で斬新な表情を創り出したことが高く評価されました。また、異なる用途地域にまたがるそれぞれの高さ制限を一体化するために、敷地全体の建蔽率を下げて建築のフットプリントを小さくすることで、通り抜け可能な緑豊かな公開空地を生み出した点も、極めて価値あるものと考えます。
都内に立地するものの中から、これに次ぐものとして評価されたのが、東京都知事賞を受賞した「MUFG PARK / LIBRARY」で、郊外に残された豊かな緑地スペースを積極的に都民に公開し、公園と一体となった潤いのある読書スペースを作り上げたことが特に評価されました。これらはいずれも建築が単に所有者に利するものとしてだけはなく、近隣の住民や、広く市民にとっても魅力的な空間を提供するものであり、まさにこの賞にふさわしいものと感じられました。
リノベーション賞と一般部門一類の最優秀賞に輝いたのが「花重リノベーション」で、谷中の墓地にある江戸時代からの花屋の建築群を改修、さらに半屋外のスペースを増築して、独特の空間を生み出しています。中でも細身の鉄骨による架構は、密度の高いディテールによって実現されており、見るものを唸らせました。
一般部門二類で最優秀となったのが「城西大学坂戸キャンパス23号館(JOSAI HUB)」で、郊外立地する大学の文理融合型の新しい教育に対応する、施設全体がキャンパスのハブとして広場のように機能する新校舎棟です。それまでなかった学生たちの生活の拠り所となる空間が無数に生まれています。
住宅部門の最優秀賞は「段庭の家」。住宅の密集する都心地で、最低限の接道しかない狭隘な敷地でありながら、各階に心地よい日照を採り入れることのできる断面のスキームが秀逸です。段々型のボイド空間の中に各階がスキップする構成で、屋上も含めて大変楽しい生活が目に浮かびます。
その他の優秀賞作品、奨励賞作品も総じてレベルが高く、東京建築賞の目指す作品性と公共性のあるべき姿を大いに喚起するものでした。これらがさらに今後の収集な建築を生む端緒となることを期待しています。

古谷 誠章(ふるや・のぶあき)
建築家、早稲田大学栄誉フェロー、NASCA主宰
1955年 東京都生まれ/1978年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1980年 早稲田大学大学院博士前期課程修了/1990年 近畿大学工学部助教授/1994年 早稲田大学理工学部助教授/1994年 NASCA設立/1997年 早稲田大学理工学部(現・創造理工学部)教授/2017年 日本建築学会会長/2021年 東京建築士会会長/2024年 日本建築士会連合会会長/2025年 早稲田大学栄誉フェロー
1955年 東京都生まれ/1978年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1980年 早稲田大学大学院博士前期課程修了/1990年 近畿大学工学部助教授/1994年 早稲田大学理工学部助教授/1994年 NASCA設立/1997年 早稲田大学理工学部(現・創造理工学部)教授/2017年 日本建築学会会長/2021年 東京建築士会会長/2024年 日本建築士会連合会会長/2025年 早稲田大学栄誉フェロー
カテゴリー:東京建築賞








