
神田川の源流。

中流域。
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
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日頃の運動不足解消のため、休日にジョギングやウォーキングをするよう心掛けている。玉川上水沿いの緑道や井の頭恩賜公園の井の頭池から流れ出す神田川沿いの道がお気に入りのコースだ。今の季節は神田川沿いの桜や玉川上水の緑道の新緑を楽しむこともできる。「貴方はもう忘れたかしら、赤い手拭マフラーにして、ふたりで行った横町の風呂屋~♪」。今は知らない世代の方が多いかもしれないが、フォークグループ、南こうせつとかぐや姫の代表曲「神田川」の出だしの歌詞である。神田川といえば、この歌のイメージしかなかったが、この神田川沿いのコースを走るようになって、初めて井の頭池から流れ出していることを知った。その流れは三鷹市、杉並区、中野区、新宿区、豊島区、文京区、千代田区、中央区、台東区を流れ、隅田川に注ぐまでのおよそ25kmの河川である。★
神田川は江戸時代に江戸の街中へ供給する上水(飲料水)の役目があった。後に築かれた玉川上水とともに江戸二大上水といわれている。現在の文京区関口で取水された神田上水は江戸時代初期につくられた日本最古の都市水道だった。しかし神田川上水は時代が江戸から明治に遷る混乱期において、所轄官庁が二転三転したために適切に管理されなかった時期があり、水質が悪化したと聞く。★
1月の終わりに発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故は、都市インフラの老朽化という深刻な問題を現代社会へ突きつけた。人がつくってきた都市インフラは人びとの生活を便利に、豊かにする。しかし、いったんどこかで不具合がでると大きな不便が生じる。八潮市の事故でも多くの住民に不便が強いられた。日本最古の都市水道の神田上水も適切に管理されなかったことで水質が悪化した。★
人がつくったものは、便利で暮らしに役立つが、必ず老朽化する。都市インフラに限らず建築でも同じことがいえるだろう。建築に携わる者として持続可能な社会とは何かを考えさせられた。

小山 充男(こやま・みつお)
東京都建築士事務所協会会誌専門委員会・北部支部、建築工房 上二 一級建築士事務所
1967年長野県松本市生まれ/武蔵野美術大学建築学科卒業
1967年長野県松本市生まれ/武蔵野美術大学建築学科卒業








