都市再生の軌跡を辿る──URミュージアム見学会
第2ブロック|令和7(2025)年8月30日(土)@ヌーヴェル赤羽台団地
陣内 利幸(東京都建築士事務所協会北支部、陣内建築アソシエイツ)

ミュージアム棟外観。

記念撮影。背後に保存住棟のスターハウス。

2階メディアウォール。

4階同潤会代官山アパート。

3階晴海高層アパート。

2階多摩平団地テラスハウス。
(撮影:大平孝至)
(撮影:大平孝至)
8月30日(土)15時から90分間程度、「URまちとくらしのミュージアム」で北支部主催の第2ブロック研修会が行われた。猛暑の続くなか、会員16名、会員外1名の計17名が参加した。
ヌーヴェル赤羽団地(旧赤羽台団地)には現在、板状階段室型1棟、スターハウス型3棟の4棟が保存されている。展示施設として「ミュージアム棟」(設計|設計組織ADH、第51回東京建築賞一般部門一類 奨励賞)が新たに加わり、2023(令和5)年9月に「URまちとくらしのミュージアム」として開館した。
保存住棟4棟は、日本の都市住宅団地計画の成果であり、地域の景観形成に大きな役割を果たしたものとして、2019(令和元)年に国の登録有形文化財(建造物)に登録されている。
保存住棟4棟は今後の展示計画や準備などで見学対象外であったが、建物の外観は見学できた。ミュージアム棟前のワークショップ広場に、彫刻家・流政之氏による旧東鳩ヶ谷団地のファニチャーが置かれている。
ミュージアム棟の展示
UR都市機構は設立以来約70年間、時代や社会の要請に応え、さまざまな居住空間や住宅部品の創出に力を注いできた。ミュージアム棟には、URの都市住宅の成果と役割の軌跡が、復元住戸、映像、模型など通してリアルに紹介されている。復元住戸として、戦前、戦後の集合住宅4地区6戸が復元され、各住戸に当時の部材、設備なども展示され、集合住宅のくらしの片鱗が見てとれる。
1階の「URシアター」では、URの業績、変遷がスクリーン4面に映し出されている。
2階には、「多摩平団地テラスハウス」の住戸が復元されている。また、URのこれまでの住宅部品を壁一面に配し、効果的に展示されている。
3階には、前川國男による10階建て高層集合住宅「晴海高層アパート」の模型やパネルが展示され、住戸の一部が復元されている。
4階には、関東大震災後に設立された同潤会による、「同潤会代官山アパート」の住戸が畳や照明器具ともに復元され、当時の構造躯体(RC造)の断片も展示されている。
見学ツアーはタイムトラベル
ツアーは1階のURシアターのパノラマ映像でURの業績の痕跡を辿るところから始まる。その後、タイムマシン(エレベータ)で戦前の同潤会アパート(4階)へタイムトラベルする。時代が下るに従い3階、2階へと階段で時空移動し、2階から1階に降下すると現在に帰還する。時代の流れとともに都市集合住宅の歴史の変遷を一望することができる。夢先案内人によって、その当時の入居者の日常生活をはじめ、各住戸、部材、設備など丁寧に解説される。復元住戸は当時の生活様式を彷彿させ、時間と空間を体験し楽しむことできる。再度訪れた時にまた新たな発見があるだろう。
少し前の時代の生活様式の探訪を
「URまちとくらしのミュージアム」は赤羽駅から徒歩10分足らずの高台に位置している。ミュージアムへの往路にはトンネル入口にエレベータも設置されている。館内の入場は無料だが、事前予約が必要である。建築関係者に関わらず知人や家族と一緒に来館し、少し前の時代の生活様式を探訪してみてはいかがだろうか。先人の智慧と果てしない努力の痕跡に遭遇し、通信機器など何気なく使用しているものに感謝と歴史を感じるだろう。
研修後、赤羽駅西口の居酒屋で、会員外1名を含め16名が交流会を兼ねて懇親会を行い解散となった。参加されました皆様、お疲れさまでした。

陣内 利幸(じんない・としゆき)
東京都建築士事務所協会北支部、陣内建築アソシエイツ
カテゴリー:支部 / ブロック情報
タグ:見学会








