年頭のご挨拶
千鳥 義典(東京都建築士事務所協会会長・新宿支部、株式会社日本設計)
 あけましておめでとうございます。
 会員の皆様ならびに賛助会の皆様には日頃よりTAAF(東京都建築士事務所協会)の活動にご協力いただき感謝申し上げます。
 人手不足や工事費の高騰、それに伴う入札不調や工期延長など設計・建設業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増してきています。
 さらに今年度に施行される建築基準法・建築物省エネ法の改正や育児介護休業法の改正は私たち建築士事務所に多大な影響を及ぼすものと思われます。
 私たちは、このような環境の下で業務の「質の確保」と「効率化」を両立させ、働き方を見直しワークライフバランスを実現する必要に迫られています。このように、令和7年は大きく環境の変わる1年となりますが、会員相互に協力し合って乗り越えましょう。
 TAAFの動きについては昨年から始めた「TAAF通信」で適宜報告してきましたので、新年にあたっては今年の目標を平易な言葉でお示しすることで、年頭の挨拶に代えたいと思います。
「健康を取り戻そう」
 健康診断は自らの健康状態を知り、病気の早期発見につながり、体質改善や処方箋などさまざまな治療を施します。中期事業計画はいわば組織の健康診断ともいうべきもので、定期的に実施することが不可欠です。診断の結果によっては、疾患の程度に応じて必要な措置を講じて治癒する必要があります。
 TAAFには建築という社会資本を次の時代に引き継いでいく使命があり、したがってTAAFとその活動はサステナブルでなければなりません。現在取り組んでいるさまざまな施策は、TAAFの健康維持のために体質の改善を図るものです。一層の改善努力を重ね、安心して活動できる健康的な協会にしましょう。
「新しい仲間をふやそう」
 “会員増強”という無味乾燥な言葉は止めて、“仲間をふやそう”に替えましょう。仲間が増えれば、TAAFの声が大きくなり、そしてTAAFの力に繋がります。新しい仲間を増やし、私たちの思いを「実現する力」に変えましょう。
 また、組織の維持と活性化のためには若い仲間を増やすことが欠かせません。業界の次代を担う若い人材の取り込みにも注力したいものです。
 建築三会やTARCなど志を同じくする仲間とも、定期的な交流によって協調と連携を深めています。内にも外にもTAAFの仲間を増やしましょう。
「TAAFブランドを広めよう」
 支部やブロックの活動ひとつひとつが、TAAFの原動力であり、骨格をなすものです。お互いに情報共有を図り、それぞれの支部やブロックの新たな取り組みや運営に生かしましょう。
 “実業に携わる者の団体”ならではの特徴を活かした取り組みや活動を展開することが、他団体と差別化するTAAFの独自性を生み、それがTAAFの価値と地位を高めることに繋がります。
 そして、アピールする機会を自ら創出し、効果的な手段を通して「TAAFブランド」を広めましょう。
「力を合わせて仕事をしよう」
 技術者不足の深刻化が懸念されるこの先、競争の時代は終わり、共創の時代すなわち力を合わせて助け合いながら仕事をする時代になります。得意な分野を活かしながら連携するコラボレーションやワークライフバランスの観点からひとつの仕事を複数人で分担するワークシェアリングなど、多様な仕事の仕方が生まれるものと考えられます。
 TAAFではこのような時代に相応しいプラットホームを開設しました。協力事務所マッチングサービス「アーキ・パートナー」は業務協力を希望する事務所同士をつなぐプラットホームです。現在、裾野を広げるべく他団体にも参加を呼び掛けており、会員にとって一層役に立つサービスに育てたいと考えています。会員相互に助け合いながら、力を合わせて仕事をしましょう。
「新しい時代を取り込もう」
 古代から現代に至るまで建築の発展・変化は新たな技術の出現により導かれてきました。
 現代の新しい技術は何といってもIT技術です。建築の分野でもIT化の進展は著しく、これからさらに本格化するでしょう。BIMや3Dスキャナー、3Dプリンター、ドローン、センサーテクノロジー、さらには生成AIの活用により、設計の効率化と最適化が進むのは間違いありません。それは更なるイノベーションを生むとともに、労働力不足を補う有効な手段ともなります。
 新しい時代に臆することなく、新しい時代に適応し、そして新しい時代を取り込みましょう。

 当協会の明るい未来に向けて、今年も歩みを止めることなく、積極的に活動に取り組み社会に貢献しましょう。結びに、本年の皆様のご活躍とご健康を祈念申し上げ、私の年頭の挨拶とします。
千鳥 義典(ちどり・よしのり)
東京都建築士事務所協会会長・新宿支部、日本設計株式会社
1955年 東京都生まれ/1978年 横浜国立大学工学部建築学科卒業/1980年 同大学大学院修了/1980年 日本設計入社/2013年 代表取締役社長/2020年 取締役会長/2023年 最高顧問/新宿支部