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関 和典(東京都建築士事務所協会賛助会代表、株式会社ゼットアールシー・ジャパン)
ブルーオーシャンドームの3素材。左から、竹集成材、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、紙管。(写真:特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン プレスリリースより)
来年2025年4月13日から10月13日までの半年間の日程で、大阪市此花区の人工島・夢洲にて、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開催されます。最大の目玉は何と言っても建築家・藤本壮介さん監修の1周2kmにもなる世界最大級の木造の大屋根リングですよね。このリング、藤本さんだけが表に出てきていますが、実は基本設計は東畑建築事務所と梓設計が担当しています。そして、この万博では、今年1月にご講演いただきました永山祐子さんの事務所の他、TAAFの設計事務所がたくさん参加しています。私の知る限りでも、日建設計、安井建築設計事務所、石本建築事務所、隈研吾建築都市設計事務所、小堀哲夫建築設計事務所など。また、施工では大手スーパーゼネコン各社に加え、矢作建設工業や飛島建設などわれわれの身近な仲間が参加しています。
さて、今年度の賛助会主催「特別講演会&展示会」は、10月24日(木)に開催されます。講師は、アラップ東京事務所でシニア構造エンジニアとして活躍されている伊藤潤一郎先生です。伊藤先生は岐阜県生まれの47歳。テーマは「新素材の可能性と万博へのチャレンジ」です。伊藤先生は、今回の万博の民間パビリオンのひとつ、NPO法人ZERI Japanのブルーオーシャンドームの3つのドームの構造設計を担当されています。そのデザインは再生紙管を使った仮設住宅を世界の被災地で建設している、坂茂さんです。
 パビリオンは3つのドームから成り、それぞれ、竹の集成材、坂さんお得意の紙管、そして直径10mの中央のドームはボートや車・航空機などに使われているCFRPで作られます(これが最も曲者らしいです!)。どの材料も今まで一般的には建築物の構造材として使われていないエコな素材です。そんな新素材を使ってこの埋立地の軟弱地盤に杭工事&RCなしでどのように「廃棄物ゼロ建築」を実現していったのか、その苦労話を存分にお聞かせいただけるのではと期待しています。
今年の賛助会のモットーは「どうせやるならワクワクする事をしよう!!!」です。この講演会で、一体どんなお話を聞けるのか、今から「ワクワク、ドキドキ」とても楽しみです。皆様、ぜひ会場(事務所協会会議室)にお運びください。それが叶わなくても、ぜひオンラインでお楽しみくださいませ。10月24日(木)14:00開演です。
関 和典(せき・かずのり)
東京都建築士事務所協会賛助会代表、株式会社ゼットアールシー・ジャパン 代表取締役社長
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