24時間の大島三原山ハイキング
港支部|令和5(2023)年11月24・25日@大島三原山
齋藤 竹美(東京都建築士事務所協会港支部副支部長/株式会社中山克己建築設計事務所)
デッキより見るレインボーブリッジ。(撮影:筆者)
早朝の大島岡田港。
ハイキングコースを歩く。
記念撮影。
 港支部では毎年2回ほどのハイキングを企画している。季節を感じながらの草原コース、登山コース、歴史を感じながらの街歩き、興味を引きそうなコースを選定し、実施してきた。そして今回は三原山ハイキング。企画は東海汽船のものである。
 前夜22時に竹芝桟橋より出航しフェリーで大島へ渡航。昔の船のイメージでは大部屋に雑魚寝だったたが、今は2等船室でもきれいな2段ベッドのひとつが与えられ、シャワー設備も完備されている。
 一歩デッキに出ると素晴らしい東京湾摩天楼の夜景に圧倒される。レインボーブリッジから汐留、浜松町、お台場、晴海と普段見られないアングルからの夜景は酒のつまみとしては最高だ。
 翌朝、大島の港のひとつ岡田港に到着。コンクリート打ち放し仕上げの開放的な新しい客船待合所は、違和感なく乗客を迎え入れてくれる。よい天気に期待も高まりつつ、バスに乗り三原山外輪に立つ「大島温泉ホテル」へ向かい、温泉につかりリフレッシュ。朝食をいただき、いざハイキングコーススタート地点へ。
 三原山ではお鉢まわり、樹海コース等が設定されており、案内板や避難シェルターが設置されている。スタート地点からは、これから歩く雄大な風景が一望でき気持ちが昂ぶる。案内役の方の説明や指示のもとにゆっくり進み、溶岩を見学。1986年噴火の際に溶岩をまぬがれた三原神社を参拝。そしてカルデラ周囲コースに向かう。
 周りを見渡せばほぼ360度海が見え、伊豆半島、房総半島が臨める。溶岩でできたであろう砂利道を踏みしめ、強風に耐えながら進む。活火山の火口を覗くと水蒸気が立ち上り、まさに活きている大地を感じ、さらに進むと日本で唯一の砂漠とされる「裏砂漠」を鑑賞できる。約8kmのコースはとても日本(東京)の景色とは思えず、驚きと感動の中で短く感じた距離だった。ゴールは温泉ホテルとなり、ここで休憩して帰路に向かった。
 昼食時のホテルの方の説明では1年で3日とない天気に恵まれたと聞かされて、皆運のよさを喜び、改めて三原山を眺めて感動を再確認しているようだった。帰りは高速船にて竹芝まで2時間45分、計24時間以内の企画ながら十分自然を堪能したハイキングだった。
齋藤 竹美(さいとう・たけみ)
東京都建築士事務所協会港支部副支部長、株式会社中山克己建築設計事務所
1958年生まれ/1981年 明治大学工学部建築科卒業後、株式会社中山克己建築設計事務所入社