思い出のスケッチ #334
TIMES SQUARE
森川 浩弌郎(元YENDO ASSOCIATES INC.、米国コネチカット州在住)
 マンハッタンのミッドタウン、グランドセントラル駅がある四二丁目を西へ七番街まで行って、ブロードウェイと交わる地域一帯がTimes Squareです。毎年の大晦日には新年のカウントダウンが行われることで有名ですね。
 Times Squareと呼ばれるようになったのは、一九〇四年にNew York Times社の本社が四二丁目にできてからのことです。New York Times社はその後一九九六年に、四一丁目の八番街にレンゾ・ピアノが設計した高層ビルに移転しています。私がニューヨークに来た一九九〇年代初頭のころは、この辺りはポルノショップやXXX video映画館、いかがわしいショーをする所がたくさんあった風俗街で、危険な地域でしたが、ジュリアーニ市長の努力で一掃され、健全な観光地に生まれ変わりました。現在この地域はたいへん賑やかで,多くの観光客であふれています。有名人の蝋人形で有名なマダムタッソー蝋人形ミュージアムもここにあります。周りには名前の通りブロードウェイ・ミュージカルの劇場がたくさん建ち並び、ブロードウェイがつくる三角形の広場の周りにはミュージカルの看板や広告、LEDの巨大ディスプレイ、ネオン等の電飾で輝いています。広場では、パフォーマンスをする人がいたり、キャラクターの着ぐるみを着て観光客と写真を撮ってお金を稼いだりする人たちもいて、いつも賑わっています。北側の広場にはダッフィー神父の像が立っています。その後にはRuby-Red Stairsという大きな赤い階段席があって、観光客はそこに腰掛けてこのスケッチのように広場を見下ろして楽しんでいます。この階段の下はTKTSと呼ばれる劇場の格安チケットの売り場になっていて、チケットを求めるたくさんの人の行列ができています。
森川 浩弌郎(もりかわ・こういちろう)
1960年 大阪市立都島工業高等学校卒業/1960年 大阪で圓堂建築設計事務所に入所/1962年 圓堂建築設計事務所東京に移転にともない東京に移転/1966 - 1968年 圓堂建築設計事務所勤務中、中村順平先生に師事する/1991 - 1997年 YENDO ASSOCIATES INC.ニューヨーク事務所に勤務/現在、米国コネチカット州に在住