集合住宅といえばバルコニーが前面にある意匠が一般的だが、四角い大きな開口部が整然と並ぶ合理的な壁面と縦ルーバーの張り出しからなる外観は、都市街区の一部を意識させる優れた街並みデザインとなっている。しかも、採算性を重視した画一的な住戸プランではなく、メゾネット型住戸の特例等を活用することにより、各階がすべて異なった特色あるプランで構成されている。最上階のオーナーメゾネット住戸の浴室はガラスを介して天空を望むフラットバルコニーが続き、まさに都会のオアシス。
「高麗屋格子をモチーフとする直線的なデザイン」、「木場の町並みや地域のイメージの継承」、「夜間は行灯のごとく、地域の象徴的建物」(説明資料より抜粋)というコンセプトが実現した心地よい作品であった。
さて、夕暮れ時となり「行灯」も見たいわけだが、引渡し前ということで後の楽しみにとっておき、近くの赤提灯で反省会。ほめ言葉かと思いきや酒の勢いで辛口批評も。まあいつもの仲のよいメンバーということもあり、次の作品への刺激にもなったようだ。もちろん見る側に回った会員の作品も次は見たいものだと皆の胸中は察しがついている。
蓼沼 芳(たでぬま・かおる)
東京都建築士事務所協会研修委員、江東支部副支部長、株式会社阿波設計事務所執行役員 東京支店支店長
1961年生まれ/1986年 東京工業大学大学院修了/2008年年 株式会社阿波設計事務所入社
1961年生まれ/1986年 東京工業大学大学院修了/2008年年 株式会社阿波設計事務所入社
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