私の休日 31
私と音楽──音のチカラ
鈴木 文雄(東京都建築士事務所協会理事、研修委員会委員長、会誌専門委員会委員長、墨田支部、有限会社鈴木設計一級建築士事務所)
演奏風景。
音の不思議なチカラ
 音楽を聴くのは好きだった。そして楽器と出会ったのは10歳の頃、従兄弟の弾いてくれたフォークギターに感動した。その後15歳でフォークギターを、16歳でエレクトリックギターを手に入れ、ほぼ毎日のように抱える相棒のような存在となった。どちらかというとプレイヤーというより作曲やアレンジに興味を持っていたことで音の効果についてのさまざまな知識を探るようになった。そして、そこに目に見えない不思議なチカラがある“らしい”ことを知ったのである。
ソルフェジオ周波数
 人間の身体の60~70%は水分である。その水分を振動させる音により人が何らかの影響を受けてしまうであろうことはうなずけると思う。
 古代より音は、気持ちを高揚させたり、落ち着かせたり、精神状態を左右させる手段として儀式や呪術に用いられてきた。また、音で感情を操ることができるだけでなく、具体的な効果をもたらすと言われるいくつかの周波数があることがわかっている。ヒーリング音楽でよく使われる432Hzの音は心をリラックスさせることで知られているが、その他にも人間にプラスに作用するといわれる「ソルフェジオ周波数」には次のような効果があるとされている。

174Hz 人の内面に働きかけ心を安定に導く
285Hz 自然治癒力を促し心身を整える
396Hz 罪の意識やトラウマ、恐怖心、不安の感情を緩和させる
417Hz 意識と無意識に働きかけ回復力を高める
528Hz 無限の可能性、DNAの修復、奇跡の周波数
639Hz 人間関係を向上させる
741Hz 問題を解決する力、表現力を向上させる
852Hz 直感力を覚醒させる
963Hz 高次元、宇宙意識とつながる
 なんとなくスピリチュアルな匂いがして信じがたい感もあるが、古くから聖歌などにも用いられてきたことを考えると長い年月をもってその効果が確認されてきたということがいえる。
440Hzの音
 逆に人に悪い影響を与える音もある。
 代表例としては、人を不快にさせる440Hzの音である。例を挙げると「救急車のサイレン」、「赤ちゃんの泣き声」、「電車の発車音」と聞けば納得であろうが、この音が1953年のISOで楽器を調律する際の国際基準として世界統一されたことは驚きである。
 なぜこのような“危険な音”が基準にされたのか?
 実はそこに政治的な思惑があったとされるが、この話は長くなるのでまた別の機会に……。
空間のチカラ
 われわれは建築士として、この不思議なチカラを活用できる。安らぐ空間、集う空間、考える空間、賑やかな空間。目に見える視覚的な演出だけでなく、聴覚や、さらには嗅覚の効果もプラスαの付加価値とした、人に喜ばれ人のためになる空間づくりに活かすことができるのである。
鈴木 文雄(すずき・ふみお)
東京都建築士事務所協会理事、研修委員会委員長、会誌専門委員会委員長、墨田支部、有限会社鈴木設計一級建築士事務所
1984年 東海大学建築学科入学/1987年 同校中退、東京デザイナー学院建築デザイン科入学/1989年 同校卒業/有限会社鈴木設計一級建築士事務所入社、現在に至る
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