清水建設東京木工場見学会
中央支部|平成30年11月20日(火)@清水建設東京木工場
吉田 博(東京都建築士事務所協会中央支部、株式会社 ポリテック・エイディディ)
工場の内部。
鉋がけの体験。
記念撮影。
(撮影:筆者)
 東京都建築士事務所協会中央支部で清水建設株式会社の東京木工場見学会を実施した。
 清水建設東京木工場は明治17(1884)年当時の清水満之助店が、江東区木場にあった幕府御用木材商の敷地跡地を取得し、貯木場、木材切組場として作業所を開設したのが始まりで、その後130余年にわたり造作等の木工製作と、木工事を専門に行う木工場とし業務を行っている。
 当日の見学会は26人が参加し大盛況であった。まず会議室にて井出勇人前工場長から沿革と業務内容の説明を受けた後、2班に分かれて見学させていただいた。
 見学では練り付け材などの作成工程、くり型や扉の枠などを製作する木取・加工工程、そして部材を組み立てる造作工程で担当の方の丁寧な説明で木工事に対する理解を深めることができた。また、鉋がけの体験で器具を使うことの難しさ、技能五輪で入賞した家具や各地で行われたワークショップでの作品展示を見ることで、木工場の技術力の高さと木工の楽しさを認識することができた。
 木工場のもうひとつの機能は、清水建設のCSR活動である。毎年各地の自治体や学校、展示会などで木工教室やワークショップを開催し、木のよさを伝えたり、kino styleと銘打ったオリジナルの木工グッズを作成。今後は外販も行うとのことであった。
 当日見学していちばん驚いたのは、清水建設というスーパーゼネコンの組織の中で、大工の棟梁を起源とする職人の技が脈々と受け継がれていることと、若い職員がその技術と伝統に誇りを持ち、生き生きと高いモチベーションをもって活動していることであった。
 楽しそうに技能五輪入賞のことと、小学生相手のワークショップのことを説明してくれた若い職員の姿が清々しく印象に残った。
吉田 博(よしだ・ひろし)
東京都建築士事務所協会中央支部、株式会社 ポリテック・エイディディ
1957年 東京生まれ/1981年 横浜国立大学大学院修了後、清水建設株式会社入社/2017年 株式会社ポリテック・エイディディ 代表取締役就任