第94回定時総会開催
令和3(2021)年6月21日@明治記念館 蓬莱の間
文:飛田 早苗(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計)
写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社ダイリン一級建築士事務所)
総会参加の本部役員。
会場風景。
児玉耕二会長の挨拶。
議長団。
初回理事会。
表彰式。
記者会見。
 第94回定時総会が開催された。昨年に引き続きコロナ禍の影響はあるものの、役員改選の年であること等を鑑み、感染防止策を徹底した上で、Webとリアルのハイブリッド開催となった。
開会の挨拶 児玉耕二会長
 緊急事態宣言は解除されたものの、蔓延防止等重点措置の期間が続いている。なかなか事態は収束しないが、会の活性化のためにいろいろな工夫をしながら活動してきた。
 活発な活動が難しい折ではあるが、いろいろな課題が顕在化してきている。その課題解決のためにも、われわれは未来に向けて動き出さなくてはいけない時だと思っている。中長期的な会の発展を見据えて、一歩一歩着実に積極的に踏み出していきたい。今、建築設計界では、BIMを活用した業務改善、Webでの新しいコミュニケーションが進んでいる。東京都では4月にデジタルサービス局を設置、国も9月よりデジタル庁を設立する予定である。われわれもそれに備えて、データベースの構築に向けたプロジェクトチームを立ち上げた。
 また、昨年10月の菅総理による2050年カーボンニュートラル宣言を受けて、今後われわれにも関係する法改正、制度改正が進んでいくと思われる。JIAや士会連とも連携しながらグリーン化の課題に積極的に取り組んでいきたい。
 さらに身近なところでは、建築士事務所の数が減り10万を切る状況になってきた。私たちの会員1,600社の中にもリタイアの時期を迎えている方々が多くおられる。今後の事業承継、人材育成や人材確保に向けて、マネジメント支援センター等を通じて課題解決に取り組んでいきたい。
 また、業界としては日事連として全国の単位会の組織強化にも乗り出している。今年からはさまざまな投資を行い、東京をはじめとする各単位会で新しい事業や新しい研修セミナーをどんどん実施し、会員増強の取り組みも支援していくこととなっている。日本の中でも中心的役割を果たす東京会は、その重責を担って、建築設計界のますますの発展に努めていく所存である。これからも会員の皆様の叱咤激励、強力な支援を切にお願いしたい。
議案の審議
 専務理事一任の声を受け、議長団に佐賀井尚議長(世田谷支部)と吉田潤副議長(港支部)、白石秀樹副議長(江東支部)が選出されて登壇し、議長一任により議事録署名人に、金子幸司氏(台東支部)、福田邦人氏(八王子支部)が選任され、議案の審議に入る。
 第1号議案「令和2年度事業報告の承認に関する件」と第2号議案「令和2年度収支決算の承認に関する件」の説明が行われ、宮崎州監事より「会計処理が適正に行われた」旨の報告があった。その後、質疑応答が行われ、事前質問8件、会場からの質疑1件が出た。
 その後、採決が行われ、賛成多数により議案は承認された。
 続いて第3号議案「役員の選任に関する件」について、平松良洋役員候補者選出管理委員会委員長、児玉耕二会長より推薦があった。役員数の削減や安全支援協会の運営に関する質疑とともに、修正動議が提出されたが、採決の結果、過半数以上の多数の賛成により原案が承認された。
 ここで選任後の初理事会を開催するため総会は一時中断となり、20分後、初理事会が終了して総会が再開された。再任された児玉会長から挨拶があり理事・監事の紹介があった(p.7に掲載)。続いて前川秀則専務理事から「令和3年度事業計画」と「令和3年度収支予算」が説明された。本年度の事業計画として、「デジタル化への取り組み」、「経営サポートへの取り組み」、「地域活動活性化への取り組み」を重点的に進めていくとの方針が示された。これにて、議事は終了し議長団は降壇した。
表彰式
 会員表彰:当協会に多年に渡り尽力し、建築設計業の発展に多大な貢献をされた36名の方々に表彰状・感謝状が贈呈された。つづいて、会員の発展に30年以上在籍し会の発展に寄与された22社が表彰された。代表して、加藤昇前副会長、高杉政宏前港支部長、(株)ダイリン(台東支部)に表彰状および感謝状が贈呈された。
 会員増強優良支部表彰:塚本達二会員委員会担当副会長より会員増強について報告があった。会員増強目標を達成した台東支部、杉並支部、港支部、八王子支部の4支部が表彰され、代表して最も入会数割合の高かった台東支部に賞状と副賞が贈呈された。
 最後に臼井勝之副会長が閉会を宣言した。例年であればこの後、会員間の交流の場として懇親会が設けられているが、昨年に引き続き今年も開催することが叶わず、山下登監事の発声により、当会と所属会員各位のますますの隆盛と発展を祈念する手締めにて閉幕した。
記者会見
 鳳凰の間にて、業界紙(日刊建設工業新聞社、日刊建設通信新聞社、建通新聞社、建報社)の4社の記者を迎えて会見を行った。当会からは児玉耕二会長と6名の副会長が出席した。  児玉会長が24名中10名の新任理事を迎えたことの狙いと抱負を述べた後、建築ふれあいフェアの実施、デジタル化・グリーン化への対応、ここ数年の課題と考えてきた世代交代、事業継承、人材育成、人材発掘などといった事務所経営に関わる当会の取り組みについて説明を行った。続いて、永池雅人副会長よりマネジメント支援センターについて、富樫亮副会長より避難所モデルプランについて、前川専務理事よりセミナー等の開催状況についての説明があった。記者からは、各テーマについて数多くの質問が寄せられた。
(文:飛田 早苗、写真:大平 孝至/会誌・HP専門委員会)
飛田 早苗(とびた・さなえ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計
神奈川県横浜市生まれ/慶應義塾大学総合政策学部卒業/現在、株式会社日建設計広報室課長
大平 孝至(おおひら・たかし)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社ダイリン一級建築士事務所
1984年 東京電機大学建築学科卒業/株式会社ダイリン一級建築士事務所勤務。マクドナルド、松屋、鳥貴族等、チェーン展開の飲食店の建築設計及び店舗デザイン設計をする。
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