労働基準法の法改正講習会開催
会員委員会|令和2(2020)年9月4日16:00〜18:00@Webセミナー
田中 光義(東京都建築士事務所協会会員委員会)
東京都建築士事務所協会会議室からの発信。
 オンラインで、「建築士事務所を運営するにあたって知っておきたい労働基準法の法改正」講習会が、会員委員会主催にて開催された。当日は、佐藤吉弥 会員委員会副委員長(理事)の挨拶の後、東京都社会保険労務士会台東支部長 特定社会保険労務士 佐々木隆先生より講演をいただいた。当日の参加者は55名であった。
労働基準法の基礎知識
 講演はまず、「1. 労働基準法とは」として、①労働者を守るための法律、②労働基準法が適用される事業所、③賃金とは、④賃金の5原則、⑤契約期間について、⑥労働条件の明示、⑦休業手当について、⑧労働時間・休憩時間について、⑨休日について、⑩変形労働時間について、⑪割増賃金について(計算方法)、⑫年次有給休暇について(短時間労働者含む)、⑬労働災害について、⑭就業規則について、⑮解雇について、お話しいただいた。
 労働災害については、通勤逸脱の場合は労災保険がおりないので注意すべきとのことであった。
 「2. 労働基準法で抑えるべき点とは(残業・有給・休職)」では、①残業について(注意してほしいポイント)、②有給について、③休職について説明いただいた。
残業については、月80時間を超えると過労死ラインになるので注意してほしいとのことであった。
新型コロナウイルス影響における各種就労形態
 続いて、現状考慮すべき新型コロナウイルス感染症に対応した就労形態については、「1. テレワーク勤務(在宅勤務・サテライトオフィスの活用)について」として、①テレワークのメリット、②テレワークのデメリット、③テレワーク規定の作成について話しがあった。
 テレワーク導入率増加しており、テレワークのメリットとして、地方に帰る人、地方の人の雇用もできる等がある。デメリットとしては、賃料等のお金の問題がでてくる等あるが、テレワークはメリットの方がある。ただし、テレワーク規定作成の必要があるとのことであった。
 「2. フレックスタイムについて」では、①②フレックスタイム制とは(1カ月以内、3カ月以内)、③フレックスタイムのメリット、④フレックスタイムのデメリットの説明があった。
 フレックスタイムは時差通勤等自分のペースで仕事ができ、運用方法さえ気をつければ有効であるといえるとのことであった。
 さらに昨年4月法改正になった、年次有給休暇の年5日取得、フレックスタイム制の見直し、今年4月法改正のパートタイム・有効雇用労働法、時間外労働の上限規制について説明をいただいた。最後には質疑応答も行なわれた。
 建築士事務所を運営するにあたっては労働基準法の理解は必須であり、今回佐々木先生より分かりやすく労働基準法を基礎から解説をいただき、コロナウイルス対応のテレワーク勤務、フレックスタイムについても注意点を説明いただきたいへん有意義な講演であった。
田中 光義(たなか・みつよし)
東京都建築士事務所協会会員委員会、足立支部、田中一級建築士事務所
1956年 東京都生まれ/1979年 日本大学理工学部卒業/1983年 田中一級建築士事務所入社/2020年 所長就任、現在に至る