迎賓館赤坂離宮見学会
港支部|平成30(2018)年6月26日
文と写真:吉田 潤(東京都建築士事務所協会港支部)

小林志郎委員の見学前の説明。
装飾モチーフのアカンサス。
迎賓館赤坂離宮を背に参加者集合写真。(撮影:大谷 徳義)
 6月26日(火)に「迎賓館赤坂離宮」の研修見学会を開催しました。今回の企画は支部監事で本部指導委員会の天城泰代副委員長から、ボランティアで「迎賓館赤坂離宮」の説明員をされている渋谷支部で本部指導委員会の小林志郎委員の説明を受けながらの研修見学会が提案され、開催されることとなりました。参加者は支部会員24名となり、大変盛況な見学会となりました。
 午後3時に「迎賓館赤坂離宮」正門前に集合し、小林委員から迎賓館赤坂離宮の敷地が江戸時代の紀州徳川家中屋敷の一部であったことに始まり、明治42(1909)年の皇室東宮御所としての竣工から平成21(2009)年に国宝に指定されるまでの沿革、設計者の片山東熊、改修設計の村野藤吾をはじめ構造規模など建物概要についての説明を受け、館内の見学に進みました。
 西門入口から入場し、内装の装飾モチーフに使われている植物「アカンサス」(ハアザミ)を本館への歩道の脇に見ながら建物に向かいました。
 館内見学は、公式晩餐会場として使われている花や鳥を題材とした油絵、七宝焼、ゴブラン織風綴織が目を見張る「花鳥の間」から、首脳会談などに使われている霊獣「鸞」や甲冑とライオンのレリーフ等の軍隊をモチーフとした「彩鸞の間」、金華山織の見本が飾られている小ホールから柱頭にアカンサスの葉の装飾が施された大理石の独立柱と巧妙につくられたスタッコ(大理石調)仕上げの柱のある「大ホール」を経て、竣工時は舞踏室としてつくられ、謡曲「羽衣」を描いた天井画や楽器をモチーフとしたレリーフの飾られた「羽衣の間」の順に小林委員の丁寧な説明を聞きながら館内を進みました。館内見学後は大噴水の池がある主庭、正門玄関前から外観や前庭を見学し、約2時間の「迎賓館赤坂離宮」の見学を終えました。
 見学後の懇親会も小林委員に参加いただき、見学会の感想や今後の企画などの話も活発に行われ、無事研修見学会を終了しました。
 港支部では今後も参加しやすく有意義な研修見学会を企画していきますので、支部会員の多数の参加をお待ちしています。
吉田 潤(よしだ・じゅん)
東京都建築士事務所協会港支部副支部長、(株)ジャパン・ドラフティング1級建築士事務所