グローバルキッズ飯田橋こども園
東京都千代田区 2016年
竣工 : 2016年4月
計画地:東京都千代田区
用途:認定こども園
定員:79人
延床面積:認定こども園1,152.39m2、つくる空間1,013.02m2
所在階:地上1、2階
設計チーム:
設計統括:石嶋設計室/意匠:のみぞ計画室/設備:山崎設備設計/照明:ぼんぼり光環境計画/家具:laboratory/撮影:黒住直臣
1階「身体をつくる」屋内競技場の50mトラックと観客席。
1階「料理をつくる」キッチンスタジオ。子育て支援の一環として、離乳食づくり講座や親子クッキングに活用。
1階「作品をつくる」工房。木工や工作ができる。工具や素材を収納できる壁面と棚、シンプルな作業台。
2階遊戯室。
2階保育室。腰高の家具で仕切ったワンルーム。
2階廊下。2色のLEDチューブライト。
 2015年に開園した「グローバルキッズ飯田橋園」に隣接した認定こども園の計画。飯田橋園同様、ビルイン型の保育所である。
 2階の保育室は、腰高の家具で仕切ったワンルームタイプとしているが、ここでは廊下と保育室の間に受入室を用意した。受入室は、家庭と園舎の生活を切り替える場所、また子どもが自主的に自分の荷物を準備する空間でもある。個人の持ち物を保育室に持ち込まず、また送迎時の保護者の出入りによって保育活動が中断することがないので、子どもたちは保育室での遊びや学びに集中することができる。保育室は広いスペースを最大限に活かした間取りとなっており、窓からは隣接する衆議院宿舎跡地の緑がよく見え、木漏れ日がやわらかに差し込む。加えて長い廊下には2色のLEDチューブライトを設置して、ワクワク感とあたたかさを添えている。
 1階には「つくる」というコンセプトをもとに、3つの機能をもった部屋を用意した。まずは「身体をつくる」ことを目的とした屋内競技場。運動会にも対応可能な50mトラックを中心に約300人が座れる観客席を用意した。可動式の舞台を設置すれば、発表会にも利用できる。
 続いては「作品をつくる」工房。工具や素材を大容量に収納できる壁面や棚とシンプルな作業台を用意し、木工や工作などができるつくりとなっている。
 最後に「料理をつくる」キッチンスタジオ。子育て支援の一環として、離乳食づくり講座や親子クッキングとしての活用を想定した。
 飯田橋園の「屋内園庭」と飯田橋こども園の「つくる空間」は、両園の子どもたちが相互に利用することで、0歳から就学前の乳幼児期に人間としての礎となる運動能力、情緒、感性、社会性や創造力、そして「生きる力」を育んでいく。さらにこれらの機能は、両園のみならず、「ひとと地域とのつながりをつくる」地域の交流拠点として発展していくことを目論んでいる。
石嶋 寿和(いしじま・ひさかず)
建築家、株式会社石嶋設計室代表取締役
1969年 東京都生まれ/1989年 小山工業高等専門学校建築学科卒業/1991年 千葉大学工学部建築工学科卒業/1991〜2004年 曽根幸一・環境設計研究所/2004年 石嶋設計室開設/2006年 株式会社石嶋設計室に改組、現在に至る
記事カテゴリー:建築作品