ジューテック本社ビル
設計|鹿島建設
第51回東京建築賞|一般部門二類 奨励賞

新橋赤レンガ通りに面する東側外観。都市に木架構を表出する外装デザイン。*








- 新橋赤レンガ通りに面する東側外観。都市に木架構を表出する外装デザイン。*
- 多様な居場所のあるコミュニケーションハブ。**
- フロア間をつなぐ開放的な縦動線。*
- 都市と繋がるテラス。**
- 北側外観。左側が木造のコミュニケーションハブ。**
- 6階平面図
- 断面パース
- 3ブロックの構成
建築主:
株式会社ジューテック
表彰建築士
事務所:
事務所:
鹿島建設株式会社一級建築士事務所
施工:
鹿島建設株式会社
所在地:
東京都港区新橋6-3-4
主要用途:
事務所
構造:
S造、W造
階数:
地上8階、地下1階、塔屋1階
敷地面積:
739.56㎡
建築面積:
575.09㎡
延床面積:
4,877.87㎡
竣工:
2023年2月
撮影:
*阿野太一、**新建築社写真部
設計趣旨:
大正12(1923)年に発生した関東大震災直後に、復興建築資材として合板供給のため起業した本社ビルであり、創業100周年を機に、創業の地で本社ビルを建設する記念プロジェクトである。新橋発祥の老舗企業の願いとして、環境に配慮した持続可能社会と良質な都市環境形成に貢献する建築の在り方が求められ、まちなみと一体感のある木架構の佇まいを構想し、純木質耐火集成材「FRウッド」を多層型建築の主要構造部に初めて適用した。
建物は凹型の敷地形状を活かし、地震水平力・経年変位・耐火性能などの木質構造の課題解決に向けた3つのブロックに分節した構成である。
木造エリアは、長期荷重のみを負担する自由度の高いオープン架構とした。開放的な階段でフロアを結び部門間の交流を活性化すると共に、高透過ガラス越しに木架構を表出し、街に開き企業活動や理念を広く発信することを企図した。
また旧本社は前川國男氏が手掛け、新宿紀伊国屋書店より前に煉瓦外壁とコンクリートの湾曲した庇がひときわ目を引く建物であった。煉瓦、コンクリート、木へと時代のニーズや、技術革新に伴い活用される素材が持つ力を信じ、進化するまちなみを主導する建築となるよう願っている。(上岡 修、原嶋 宏樹)

上岡 修(うえおか・おさむ)
鹿島建設
1962年 東京都生まれ/1986年 明治大学工学部建築学科卒業/1988年 同大学大学院修士課程修了後、鹿島建設入社/現在、同社建築設計本部専任部長
鹿島建設
1962年 東京都生まれ/1986年 明治大学工学部建築学科卒業/1988年 同大学大学院修士課程修了後、鹿島建設入社/現在、同社建築設計本部専任部長

原嶋 宏樹(はらしま・ひろき)
鹿島建設
1983年 東京都生まれ/2006年 芝浦工業大学工学部建築学科卒業後、鹿島建設入社/現在、同社建築設計本部チーフ
鹿島建設
1983年 東京都生まれ/2006年 芝浦工業大学工学部建築学科卒業後、鹿島建設入社/現在、同社建築設計本部チーフ
選考評:
ジューテック本社ビルは、関東大震災後に復興資材の販売から出発し、現在では建築資材の全国的な供給を担う企業が、創業100周年を機に起業の地・新橋に建てた記念的な本社建築である。煉瓦、コンクリートと時代ごとに素材の魅力を引き出してきた旧本社の記憶を継承しつつ、「人と自然が共栄する時代の生き方をつくる」という企業理念の表出を、現代的な建築素材としての木造に託している。建物は新橋赤レンガ通りに面し、都市に穏やかな表情をもたらす木架構の佇まいが印象的である。構造的には木造と鉄骨造を明快に分節したハイブリッド構成とし、水平力を鉄骨造に集約することで、木造部は長期荷重のみに対応。これにより、ピン接合によるシンプルなディテールと高い施工性が実現され、凛とした空間が創出された。また空調や照明も、この木架構を引き立てるよう丁寧に設計されている。
構造分節は明快で汎用性の高い手法であるが、それだけでなく、鉄と木の構成比、排煙・避難計画との整合も含め、小規模都市型オフィスとしてのバランス感覚の巧みさが際立つ。本計画は、木造多層建築の都市への展開事例として、今後の設計に多くの示唆を与えるものである。(篠﨑 淳)

篠﨑 淳(しのざき・じゅん)
建築家、株式会社日本設計代表取締役社長
1963年 東京都生まれ/1986年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1988年 同大学理工学研究科修士課程修了後、日本設計入社/2003年 チーフアーキテクト、2015年 執行役員フェロー、2019年 取締役常務執行役員を経て、2020年現職
建築家、株式会社日本設計代表取締役社長
1963年 東京都生まれ/1986年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1988年 同大学理工学研究科修士課程修了後、日本設計入社/2003年 チーフアーキテクト、2015年 執行役員フェロー、2019年 取締役常務執行役員を経て、2020年現職








