春日部市新本庁舎
設計|久米設計
第51回東京建築賞|一般部門二類 奨励賞
北側の「まちなかひろば」と庁舎。毎月開催されるイベント時には観客席となる大階段とアプローチテラス。
  • 北側の「まちなかひろば」と庁舎。毎月開催されるイベント時には観客席となる大階段とアプローチテラス。
  • アプローチテラス上部より「まちなかひろば」を見る。
  • 3階執務室と吹き抜けたまちのリビング(待合ロビー)。
  • 北側からの俯瞰。左は既存棟。
  • 断面図
  • 配置・1階平面図
建築主:
埼玉県春日部市
表彰建築士
事務所:
株式会社久米設計一級建築士事務所
施工:
大林組・東武建設・正和工業特定建設工事共同企業体
所在地:
埼玉県春日部市中央7丁目2-1
主要用途:
庁舎
構造:
RC・S造
階数:
地上6階、地下1階
敷地面積:
11,929.55㎡
建築面積:
5,383.33㎡
延床面積:
24,261.15㎡
竣工:
2023年9月
撮影:
株式会社川澄・小林研二写真事務所
設計趣旨:
 老朽化・分散化していた市役所機能の統合と旧病院跡地利活用による新庁舎建設。
 まちづくりの一環として歩道拡幅整備が進むメインストリートに対し新庁舎にも広場形成が求められていた。私達はこの広場を中心に、市役所、ひと、まちがつながる、まちに開かれた庁舎を目指した。その実現のため、市民利用の機能を新たに加え、これらを、広場を囲うように独立棟として配することで「市民の居場所が庁舎の顔」となる姿を目論んだ。
 2階建に抑えられた市民利用機能の棟は、ほどよいスケール感で広場を囲んでおり、まちとの連続性を感じさせる。その背後に配した庁舎は水害対策と施設アクセシビリティの両立を図るため1階を駐車場とし2階以上に市役所機能を上げた計画となる。これを、高さを抑えたアプローチテラスや大階段を介して緩やかに結ぶことで、広場と庁舎との立体的な繋がりが生まれている。
 月一で行われるひろばイベント時には、市役所へのアプローチテラスは恰好の観覧席にもなる。庁舎の前に構える市民の居場所、平面・断面的に生み出された適度な場の距離感、内外共に回遊しやすい動線計画により、心地よく集い親しみの湧く新しい庁舎像を実現できたと思う。(小野田 環、森田 純、高山 将太)
小野田 環(おのだ・たまき)
久米設計
1973年 東京都生まれ/1999年 東京工業大学大学院理工学研究科修士課程建築学専攻修了、同年久米設計入社/現在、同社設計本部第4建築設計室部長
森田 純(もりた・じゅん)
久米設計
1964年 東京都生まれ/1989年 明治大学大学院工学研究科博士前期課程修了、同年久米設計入社/現在、同社設計推進本部設計情報グループグループ長
高山 将太(たかやま・しょうた)
久米設計
1991年 東京都生まれ/2015年 慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻修士課程修了、同年久米設計入社/現在、同社設計本部第4建築設計室主査
選考評:
 老朽化・分散化していた市役所機能の統合と旧病院跡地を利活用した新庁舎である。まちづくりの一環として歩道拡幅整備が進むメインストリートに面した広場を囲うように、市民利用の機能を新たに加えた2階建の独立棟を配置することによって、まちとの連続性を感じさせつつ「市民の居場所が庁舎の顔」となっている。
 その背後に配置された庁舎は水害対策と施設アクセシビリティの両立を図るため、1階を駐車場とし2階以上に市役所機能を持ち上げた計画となっている。この庁舎と高さを抑えたアプローチテラスと大階段を緩やかに結ぶことによって、広場と庁舎との立体的な繋がりを生んでいる。
 月1回のひろばイベント時には、市役所へのアプローチテラスは、恰好の観覧席になり、庁舎の前に構える市民の居場所、平面・断面的に生み出された適度な場の距離感、内外共に回遊しやすい動線計画によって、心地よく集い親しみの湧く新しい庁舎像が実現できている。
 さらに、BELS最高位ランク5つ星(ZEB Ready相当)を取得すると共に、屋上にはPPA事業による129kWの太陽光発電設備を装備するなど、SDGs未来都市・ゼロカーボンシティ春日部のシンボルにもなっている。(伊香賀 俊治)
伊香賀 俊治(いかが・としはる)
慶應義塾大学名誉教授、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター理事長
1959年生まれ/早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了/(株)日建設計 環境計画室長、東京大学助教授、慶應義塾大学教授を経て、2024年より現職/専門分野は建築・都市環境工学/博士(工学)/日本学術会議連携会員、日本建築学会副会長(2020〜21年)