三菱ケミカルScience & Innovation Center本棟
設計|竹中工務店
第51回東京建築賞|一般部門二類 優秀賞
ケヤキ並木と一体化するワークプレイス。*
  • ケヤキ並木と一体化するワークプレイス。*
  • ケヤキ並木より研究棟を望む。*
  • ワークプレイスよりケヤキ並木を望む。**
  • リノベーションした厚生施設のカフェ。*
  • 研究棟1階ラウンジ。*
  • 断面パース
  • 配置・2階平面図
建築主:
三菱ケミカル株式会社
表彰建築士
事務所:
株式会社竹中工務店東京一級建築士事務所
施工:
株式会社竹中工務店
所在地:
神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000
主要用途:
研究所
構造:
鉄骨造
階数:
地上6階、地下1階
敷地面積:
141,812.56㎡
建築面積:
7,940.73㎡
延床面積:
35,610.33㎡
竣工:
2022年2月
撮影:
*小川重雄、**GRAFILM
設計趣旨:
持続可能なひらめきの森
 総合化学メーカーの研究拠点として、里山のふもとに広がる広大なキャンパスに点在する研究機能を集約し、研究・厚生施設を再構築する計画である。キャンパスの軸線となる樹齢50年のケヤキ並木を挟んで、新築の研究棟と既存施設をリノベーションした厚生棟の間にシェードを架けることで、自然とつながる新たな地域の結束点の創出を試みた。
 ケヤキ並木の生育に配慮しながら、樹冠に沿わせた外壁形状とすることで、内部に木漏れ日を落としながら、自然の日射制御を行う。シェードのルーバーと共に光環境を整え、ブラインドの使用頻度を抑え、視覚的にもケヤキ並木と一体となった自然を内包するワークプレイスを実現している。
 ケヤキ並木の間を縫うように配置したプラザは、ガラス屋根で覆われ、外部でありながら内部のように研究者が往来、滞留・休息しながら自然を享受できる場とした。
 長年親しまれてきた自然や既存の建物を活かし、共生する場を創出することで、人びとを自然の中に引き込み、リフレッシュしながら新たな発想を生み続けることができる「持続可能なひらめきの森」として新たな研究拠点になることを願っている。(伊藤 琢、大野 友則、北澤 諒、大坂 高敬)
伊藤 琢(いとう・たく)
竹中工務店
1965年 東京都生まれ/1991年 明治大学大学院修了後、竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店設計部 技術・BIM部長
大野 友則(おおの・とものり)
竹中工務店
1976年 埼玉県生まれ/2002年 東京理科大学大学院修了後、 竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店設計部グループ長
北澤 諒(きたざわ・りょう)
竹中工務店
1985年 東京都生まれ/2012年 東京工業大学大学院修了後、竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店設計部チーフアーキテクト
大坂 高敬(おおさか・たかひろ)
竹中工務店
1990年 神奈川県生まれ/2018年 東京大学大学院修了後、竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店設計部主任
選考評:
 里山のふもとに広がる広大なキャンパスに点在する研究機能を集約し、研究・厚生施設を再構築する総合化学メーカーの研究拠点である。
 キャンパスの軸線となる樹齢50年のケヤキ並木を挟んで、新築の研究棟と既存施設をリノベーションした厚生棟の間にガラス屋根を架けることで、自然とつながる新たな地域の結束点が創出されている。
 新築の研究棟では、ケヤキ並木の生育に配慮し、樹冠に沿わせた外壁形状と、ガラス屋根のルーバーによって内部に木漏れ日を落としながらの緩やかな日射制御が行なわれ、ブラインドの使用頻度が抑えられ、視覚的にもケヤキ並木と一体となった自然を内包するワークプレイスが実現できている。
 厚生棟にリノベーションされた既存施設と新築の研究棟の間には、ケヤキ並木の間を縫うようにガラス屋根で覆われたプラザが配置され、外部でありながら内部のように研究者が往来、滞留・休患しながら自然を享受できる場が創出され、研究者を自然の中に引き込み、リフレッシュしながら新たな発想を生み続けることができるまさに「持続可能なひらめきの森」になっている。
 以上のようなさまざまな取り組みによって、CASBEEでは最高位Sランク、ZEB Oriented、WELL Goldの認証も取得している。(伊香賀 俊治)
伊香賀 俊治(いかが・としはる)
慶應義塾大学名誉教授、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター理事長
1959年生まれ/早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了/(株)日建設計 環境計画室長、東京大学助教授、慶應義塾大学教授を経て、2024年より現職/専門分野は建築・都市環境工学/博士(工学)/日本学術会議連携会員、日本建築学会副会長(2020〜21年)