URまちとくらしのミュージアム ミュージアム棟
設計|設計組織ADH
第51回東京建築賞|一般部門一類 奨励賞

西側より見る。







- 西側より見る。
- 東側外観夕景。
- 東側の歴史保存街区(ミュージアム街区)に面する1階エントランスホール。
- 晴海高層アパート復元住戸。
- 同潤会代官山アパート復元住戸外観。
- 空間標本コンセプト
- 空間標本コンセプト
建築主:
独立行政法人都市再生機構東日本賃貸住宅本部 本部長 倉上卓也
表彰建築士
事務所:
事務所:
一級建築士事務所株式会社設計組織ADH
施工:
株式会社竹中工務店東京本店
所在地:
東京都北区赤羽台1-4-50
主要用途:
図書館等(郷土資料館)
構造:
RC造、一部S造、W造
階数:
地上4階、地下1階
敷地面積:
1,040.08㎡
建築面積:
449.30㎡
延床面積:
1,745.38㎡
竣工:
2023年6月
撮影:
繁田諭写真事務所
設計趣旨:
1962年に供用開始された公団赤羽台団地は2000年から2024年にかけて徐々に「ヌーヴェル赤羽台」として建て替えられた。ヌーヴェル赤羽台の一角に残されたスターハウス3棟と板状住棟1棟がUR都市機構により保存活用されることになったが、2019年に登録有形文化財として認められた。この歴史保存街区(ミュージアム街区)の中にミュージアム棟が計画された。配置計画としては、ミュージアム街区西端に建て替え住棟と平行に配置することで保存住棟4棟とその屋外空間にできるかぎり干渉しないように留意した。建築計画としては、建築面積を抑えながら建物高さを保存住棟と同程度にすることで、ミュージアム街区としての調和に配慮した。ミュージアム棟にはUR集合住宅の未来像を検討するという役割も与えられ、鉄筋コンクリート造、鉄骨造との混構造の耐火木造が採用された。
外断熱もURとしては新しい試みである。外装にも木質系素材(フランウッド)を用いることでこれまでの団地住棟とは異なるファサードを実現した。八王子の旧集合住宅歴史館内の復元住戸(6戸)を移築したが、復元住戸を「空間標本」というミューゼオロジーの理念でとらえ直すことで、「標本箱」という中庭側に復元住戸を表出させる特徴的なデザインが可能になった。(渡辺 真理、木下 庸子)

渡辺 真理(わたなべ・まこと)
設計組織ADH
1950年 群馬県生まれ/1972年 京都大学工学部建築学科卒業/1976年 京都大学院修士課程修了/1979年 ハーバード大学デザイン学部大学院修了/1981年 磯崎新アトリエ/1987年 木下庸子と共に設計組織ADH設立/1996〜2021年 法政大学教授/2021年法政大学名誉教授
設計組織ADH
1950年 群馬県生まれ/1972年 京都大学工学部建築学科卒業/1976年 京都大学院修士課程修了/1979年 ハーバード大学デザイン学部大学院修了/1981年 磯崎新アトリエ/1987年 木下庸子と共に設計組織ADH設立/1996〜2021年 法政大学教授/2021年法政大学名誉教授

木下 庸子(きのした・ようこ)
設計組織ADH
1956年 東京都生まれ/1977年 スタンフォード大学卒業/1980年 ハーバード大学デザイン学部大学院修了/1981〜84年 内井昭蔵建築設計事務所/1984年 木下庸子建築設計室設立/1987年 設計組織ADHに改称/2005〜07年 都市再生機構都市デザインチームチームリーダー/2007〜23年 工学院大学教授/2023年 工学院大学名誉教授
設計組織ADH
1956年 東京都生まれ/1977年 スタンフォード大学卒業/1980年 ハーバード大学デザイン学部大学院修了/1981〜84年 内井昭蔵建築設計事務所/1984年 木下庸子建築設計室設立/1987年 設計組織ADHに改称/2005〜07年 都市再生機構都市デザインチームチームリーダー/2007〜23年 工学院大学教授/2023年 工学院大学名誉教授
選考評:
⽇本の集合住宅の歴史において重要な役割を果たした「団地」を展⽰するのための施設である。敷地は「URまちとくらしのミュージアム」として、国の登録有形⽂化財である旧⾚⽻団地のスター棟と板状住棟がミュージアム街区を形成しており、その核となるミュージアム棟が今回の審査対象建物である。「空間標本箱」と称しているように、同潤会代官⼭アパートや晴海⾼層アパートなど団地黎明期のさまざまな住⼾が復元展⽰され、ミュージアム街区に向かって開かれた⼤きな窓によって外部からも住⼾内を眺められるようになっている。来館者は展⽰物である住⼾の中に⽴ち⼊って空間そのものを体験できるという⼤変ユニークな建築博物館で、単に展⽰物やモニターに映し出される動画などを眺めるだけでは分からない、当時の⽣活感までもが蘇るような貴重な建築体験が得られ、審査員の⽴場を忘れてつい⾒⼊ってしまう現地審査であった。建築が決して出しゃばらず、標本箱として機能しているという点で優れた作品といえよう。
延べ床面積1,700㎡余りのささやかな規模のミュージアムだが、階⾼や単位住⼾⾯積、間取りもそれぞれさまざまな団地の住⼾がひとつの建築空間・エレベーションに違和感なくまとめられていることも評価したい。(宮原 浩輔)

宮原 浩輔(みやはら・こうすけ)
一般社団法人東京都建築士事務所協会相談役、株式会社山田守建築事務所代表取締役社長
1956年鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社
一般社団法人東京都建築士事務所協会相談役、株式会社山田守建築事務所代表取締役社長
1956年鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社








