代々木参宮橋テラス
設計|竹中工務店
第51回東京建築賞|住宅部門 奨励賞

4階立体緑道(フライングコリドー)。鋼管柱とフラットスラブによる浮遊感のある軽快な架構。






- 4階立体緑道(フライングコリドー)。鋼管柱とフラットスラブによる浮遊感のある軽快な架構。
- 下階まで自然光が挿し込む中庭吹き抜け。
- 中庭俯瞰夕景。
- 地域の生物多様性と連携する北西外観。
- 中庭に大きく開き、中庭の環境を取り込む住戸。
- 平面図
建築主:
株式会社竹中工務店
表彰建築士
事務所:
事務所:
株式会社竹中工務店東京一級建築士事務所
照明デザイン:
(有)シリウスライティングオフィス
施工:
株式会社竹中工務店
所在地:
東京都渋谷区
主要用途:
共同住宅
構造:
壁式RC造
階数:
地上4階
敷地面積:
3,983.68㎡
建築面積:
2,136.18㎡
延床面積:
6,913.49㎡
竣工:
2023年2月
撮影:
ブルーアワーズ_沖 裕之
設計趣旨:
都心の閑静な住宅街に建つ賃貸集合住宅である。高密度に積層された住環境にありながらも、入居者自らが省CO2に貢献し、快適で健康に生活できる都心型中層集合住宅のプロトタイプとなることを目指した。ロの字型の住棟に囲まれた中庭には、防犯性とプライバシー性を高める立体緑道(フライングコリドー)を計画し、光・風・緑を取り込む開放的な中間領域とした。
中庭に対して大きく開かれた住戸構成とすることで、北向き住戸へも南面採光を確保し明るい住空間を実現している。また、住人自らがパッシブな手法で快適に過ごせるよう中庭に面した玄関際に通風専用扉を設けることで、通年の空調時間削減に寄与する計画とした。
脱炭素ライフの実現に向けた建物の高気密高断熱化と高効率設備機器の採用によりBEI=0.24を達成し、非分譲大規模集合住宅(延床面積3,000㎡以上)としては国内初のNearly ZEH-Mの認証を取得。建物内における創エネ電力の地産地消を促進するエネマネシステムの導入で、更なる脱炭素に貢献する計画とした。
植栽計画では、近隣の都市公園の植生を調査し、同樹種を建物全体へ展開することで地域の生物連携拠点となるよう生態系保全にも配慮した。(平岡 麻紀)

平岡 麻紀(ひらおか・まき)
竹中工務店
1966年 東京都生まれ/1990年 明治大学工学部建築学科卒業後、竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店工事監理部長
竹中工務店
1966年 東京都生まれ/1990年 明治大学工学部建築学科卒業後、竹中工務店入社/現在、竹中工務店東京本店工事監理部長
選考評:
都心の閑静な住宅街に挿入された4階建ての賃貸集合住宅。86戸を一旦4棟に分節した上で、敷地形状に馴染み、視線や風が内外を流れるよう外部廊下で緩やかに繋いでいる。本計画の最大の特徴は「フライングコリドー」と呼ばれるこの立体緑道にある。ロ字配置により生まれた中庭の2–4階レベルに、有機的に揺らいだ線形を持つ東西縦貫路と、そこから住戸入口に向けて腕を伸ばす南北のアクセス路が浮遊している。気泡のように空いたボイドの底やコリドー上のそこかしこに配置された緑が、移動に伴う景観の変化を生むと共に住戸のプライバシーを高めており、単なる移動空間を超え、コミュニティ醸成にも資する快適な立体中間領域となっている。廊下とバルコニーを滑らかに繋ぎ一体感を生むスラブラインや、北側住戸の採光・通風に配慮してやや南に寄せた縦貫路等、全体に施された、さりげなくもきめ細かな配慮に設計者の力量を感じる。
また深い軒、高い断熱性を持つ外皮設計、自然換気ガラリや高効率な各種設備システム・太陽光発電の採用等により、居住者のQOLを高めると同時に脱炭素を促進。計画者が目指した「次世代型健康住宅」が高い次元で実現できている。(北 典夫)

北 典夫(きた・のりお)
建築家、鹿島建設株式会社専務執行役員 建築設計本部長
1958年横浜市生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、鹿島建設株式会社
建築家、鹿島建設株式会社専務執行役員 建築設計本部長
1958年横浜市生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、鹿島建設株式会社








