ESCALIER六番町
設計|櫻井潔建築設計事務所・ETHNOS
第52回東京建築賞|一般部門一類 優秀賞
北側外観全景。
  • 北側外観全景。
  • 北西に開く1階事務所内部。
  • バルコニーに開く大開口を持つ3階事務所。
  • 5階バルコニー。
  • 2階北側バルコニー。
  • 3階より外部階段を見下ろす。
  • 断面パース
  • 2階平面図
建築主:
合同会社REALPARTNERS-01
表彰建築士
事務所:
一級建築士事務所株式会社櫻井潔建築設計事務所・ETHNOS
施工:
ピーエス・コンストラクション株式会社
所在地:
東京都千代田区六番町7-11
主要用途:
事務所
構造:
プレストレストコンクリート造
階数:
地上5階
敷地面積:
483.49㎡
建築面積:
355.27㎡
延床面積:
1,177.89㎡
竣工:
2023年10月
撮影:
堀越 圭晋|エスエス
設計趣旨:
 「ESCALIER五番町」、「ESCALIER麹町」に続く第三弾として近傍の四ツ谷駅近くのテナントビルの計画。これまでも都市の大部分を形成する中小テナントビルとして事業性と社 会性とを両立すること目標に掲げ事業者・施工者のお力添えによって過去2作では実現できなかったことが実現できました。これまでと同様の「かた」ですが、今回の敷地は北西角地にあり、角地での天空率の利点を活かして西側と北側へボリュームを前後に交差させ、中間領域であり事業性にも寄与するバルコニーを生み出し、グランドレベルより続く階段でバルコニーを繋げることにより上下階のコミュ二ケーションだけでなくテナントビルであっても社会との繋がりを持っていただければと計画しました。(櫻井 建人)
櫻井 建人(さくらい・たてひと)
櫻井潔建築設計事務所・ETHNOS
1980年 東京生まれ/2003年 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業/2003年 株式会社アーキテクトファイブ/2013年 株式会社櫻井潔建築設計事務所・ETHNOS
選考評:
 江戸時代の旗本屋敷町だったことから、東京の中心部でありながら今も閑静な文教・住宅地区である千代田区六番町。その一角、雙葉学園の敷地と向かい合う角地に立つこの作品は、中小テナントビルでありながら事業性と社会性を両立した、街に開かれた豊かな表情を持つ。
 一層毎に北と西の壁面を前後させることで生み出された、片持ちのマッスの積層が織りなすヒューマンスケールな造形は、狭隘な街路に対する威圧感を軽減するとともに、事業性に寄与する豊かなテラス空間を同時に生み出している。
 また各階の開口部を道路に面し緑化デッキのある側に限定することで、十分な採光を確保しつつ屋内外の視線の交錯を緩和している。
 この多層多機能な凹凸に、グランドレベルから繋がる外部階段が掛かる。白く塗られ綾なす縦の要素が、黒を基調とし横方向に展開する造形と鮮やかな対比を生み、観る者の視線を誘導する。
 多岐に渡る厳しい規制を丁寧に読み解き、あるいは逆手に取り、事業上の面積要求や17mロングスパンを実現しつつ、この種にありがちな単調さとは対極的なダイナミズムを表現した力量は見事である。同じ事業者+設計者による前2作で培ったノウハウが存分に活かされており、このシリーズの次の展開が期待される。(北 典夫)
北 典夫(きた・のりお)
建築家、鹿島建設株式会社専務執行役員 建築設計本部長
1958年横浜市生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、鹿島建設株式会社入社/2008年 プリンシパル・アーキテクト、2018年 執行役員建築設計本部長を経て、2021年現職