深川えんみち
設計|JAMZA
第52回東京建築賞|一般部門一類 最優秀賞、リノベーション賞

南側より見る。建物を貫通する中央の通路が「えんみち」。増設された屋外階段。







- 南側より見る。建物を貫通する中央の通路が「えんみち」。増設された屋外階段。
- 北側の街路より見る。街路に面して水平に連続する開口が設けられた。奥は富岡八幡宮。
- 地域との接点となる北側街路側の「えんみち」の入口。
- 1階高齢者デイサービスの「まちキッチン」と私設図書館「エンミチ文庫」。
- 2階学童保育クラブ。
- 段々小上がりで行われる子育てひろば。
- アイソメ図
建築主:
社会福祉法人聖救主福祉会、NPO法人地域で育つ元気な子
表彰建築士
事務所:
事務所:
株式会社JAMZA一級建築士事務所
施工:
株式会社長井工務店
所在地:
東京都江東区富岡1-15-9
主要用途:
児童福祉施設等
構造:
S造
階数:
地上2階、塔屋1階
敷地面積:
499.14㎡
建築面積:
334.68㎡
延床面積:
606.35㎡
竣工:
2024年3月
撮影:
楠瀬 友将
設計趣旨:
老朽化により街の裏側のような雰囲気を纏っていた旧斎場建物を改修、一部増築を行うことで、地域のよりどころへとリノベーションする計画である。高齢者デイサービス、学童保育クラブ、子育てひろば、私設図書館の4つの事業を2階建の建物に同居させ、世代間の交流を促し、地域に開かれた新しい福祉施設として再生した。改修にあたり、街と建物、各事業同士の距離感を再構築することを意図して計画を進めた。
道に対して閉鎖的になっていた壁面に、道を取り込むように水平に連続する開口を設けた。加えて、その道の流れを建物内に引き込むように、建物の真ん中を貫通し、反対側の道路まで繋がる道を計画。道に面して高齢者デイサービスの機能訓練室や私設図書館、健康コーナー、縁側やかまど、菜園を配置し、道沿いに生活が感じられる空間を挿入するとともに、その道から連続するように屋外階段を増築することで、2階の学童保育クラブに通う子どもたちが毎日通り抜ける動線を設け、地域の方も私設図書館に足を踏み入れる流れをつくり出す。
街の一部として当たり前に福祉があることで、日常に寄り添い、地域自体がリノベーションされていく施設のあり方を目指した。(長谷川 駿、内田 久美子、猪又 直己)

長谷川 駿(はせがわ・しゅん)
JAMZA共同主宰
1990年 東京都三鷹市生まれ/2013年 早稲田大学建築学科卒業/2015年 同大学院修士課程修了後、成瀬・猪熊建築設計事務所を経て、2019年 JAMZA共同主宰
JAMZA共同主宰
1990年 東京都三鷹市生まれ/2013年 早稲田大学建築学科卒業/2015年 同大学院修士課程修了後、成瀬・猪熊建築設計事務所を経て、2019年 JAMZA共同主宰

内田 久美子(うちだ・くみこ)
JAMZA共同主宰
1993年 福岡県福岡市生まれ/2015年 早稲田大学建築学科卒業/2017年 同大学院修士課程修了後、清水建設設計部を経て、2022年 JAMZA共同主宰
JAMZA共同主宰
1993年 福岡県福岡市生まれ/2015年 早稲田大学建築学科卒業/2017年 同大学院修士課程修了後、清水建設設計部を経て、2022年 JAMZA共同主宰

猪又 直己(いのまた・なおき)
JAMZA共同主宰
1990年 東京都文京区生まれ/2013年 早稲田大学建築学科卒業/2015年 同大学院修士課程修了後、Eurekaを経て、2019年 JAMZA共同主宰
JAMZA共同主宰
1990年 東京都文京区生まれ/2013年 早稲田大学建築学科卒業/2015年 同大学院修士課程修了後、Eurekaを経て、2019年 JAMZA共同主宰
選考評:
深川公園エリア内に位置する旧斎場を、高齢者デイサービス、学童保育クラブ、子育てひろば、私設図書館からなる複合福祉施設へと再生した計画である。車両の進入が制限され、歩行者が日常的に行き交う地域環境の中で、水平に連続する木製サッシと暖簾による柔らかな表情が、往来する人びとを自然に迎え入れている。
建物タイトルでもある「えんみち」は、その入口から連続する路地状空間として建物中央を貫き、デイサービス空間や私設図書館を横断しながら学童保育クラブへ向かう子どもたちの主動線となっている。狭すぎず広すぎない幅員が、高齢者との日常的な交流を生み出し、「ここで知り合った高齢者と子どもが手紙を交わし、道で声を掛け合う」という関係を育んでいる。施設内で生まれたつながりは地域全体へと広がり、支え合いや見守りの日常を生み出している。この施設で育った子どもが高齢者となって再び利用するという時間の循環も含め、「ゆりかごから墓場まで」という社会福祉の理念を具体のかたちとして示している。
福祉事業者と設計者の協働によって実現した本作は、単なる建物のリノベーションにとどまらず、ひとつの建築を契機として地域の人間関係や日常そのものを更新している点において、最優秀賞とリノベーション賞の双方にふさわしい優れたプロジェクトである。(石井 秀樹)

石井 秀樹(いしい・ひでき)
建築家、石井秀樹建築設計事務所株式会社代表取締役
1971年 千葉県生まれ/1995年 東京理科大学理工学部建築学科 卒業/1997年 東京理科大学大学院理工学研究科建築学科修了/1997年 architect team archum 設立/2001年 石井秀樹建築設計事務所へ改組/2012年~一般社団法人 建築家住宅の会 理事
建築家、石井秀樹建築設計事務所株式会社代表取締役
1971年 千葉県生まれ/1995年 東京理科大学理工学部建築学科 卒業/1997年 東京理科大学大学院理工学研究科建築学科修了/1997年 architect team archum 設立/2001年 石井秀樹建築設計事務所へ改組/2012年~一般社団法人 建築家住宅の会 理事














































