Grove Strolling Corridor
設計|and to建築設計事務所
第52回東京建築賞|住宅部門 奨励賞








- 1階平面図
- 2階平面図
建築主:
非公開
表彰建築士
事務所:
事務所:
株式会社and to建築設計事務所一級建築士事務所
施工:
北野建設株式会社
所在地:
長野県
主要用途:
住宅
構造:
木造在来工法
階数:
地上2階
敷地面積:
781.12㎡
建築面積:
287.44㎡
延床面積:
371.15㎡
竣工:
2024年7月
撮影:
Koji Fujii TOREAL
設計趣旨:
敷地は軽井沢の緑道沿いに位置し、戦後から代々住み継がれてきた土地である。敷地中央のキハダの木は、建主が幼少期に周囲を駆け回った特別な思い入れがあった。木材業を営む家系で育った建主にとって、自身のルーツとして木を大切にしていた。建て替えに際し、木々と共に代々守られてきた周辺環境ごと次の世代へ継承することを目指した。既存環境を生かすため、2棟の既存家屋の配置を踏襲し、枝葉や根を避けつつ基礎の掘削範囲も最小限に抑制。木々の間を縫うように代々利用されてきた生活動線をトレースし、建築化することで環境の継承を試みた。軽井沢では、建築を浮かせることは湿気対策として慣例的であることから、丸太柱を用いたピロティとして木立の佇まいを纏った。湿気対策に加え、歩行者の多い緑道と生活空間に高低差を設け、互いが木々に包まれる建ち方を実現した。
2階はキハダを中心として、丸太柱と登り梁を放射状に配置。大地から室内を貫通した通し丸太柱が大屋根を支える。丸太は木が育った時間を尊重し、自生していた時の方角に向けて配置。山に根を張っていた頃の佇まいを空間へ引き継ぎ、建築が木立の延長のように環境へ溶け込む。継承とは単なる保存ではなく、既存環境を読み解き、評価し、新たな価値へと昇華させる行為である。木立と呼応しようとする建築のあり方が、住人と緑道の心地よい関係をつくり、場所の潜在的な力を暮らしと環境へ還元する住宅を目指した。(谷口 幸平)

谷口 幸平(たにぐち・こうへい)
and to建築設計事務所
1985年 滋賀県生まれ/2009年 近畿大学理工学部建築学科卒業/同年 京都工芸繊維大学大学院木村・松隈研究室研究生/2010~19年 NAP建築設計事務所勤務/設計部長、ディレクターを歴任/2019年 and to 建築設計事務所を設立
and to建築設計事務所
1985年 滋賀県生まれ/2009年 近畿大学理工学部建築学科卒業/同年 京都工芸繊維大学大学院木村・松隈研究室研究生/2010~19年 NAP建築設計事務所勤務/設計部長、ディレクターを歴任/2019年 and to 建築設計事務所を設立
選考評:
この少し不思議で印象的な外観をもつ建築は、代々材木業を営んできたご家族のための別荘として計画されたものであり、写真から感じていた印象に反して、人通りの多い道路に面して建っていた。施主からの要望は「木に包まれる空間」であり、代々守られてきた環境ごと次世代へと継承するために、元々の建屋と樹木との関係や動線など、過去の記憶を丁寧にトレースし、既存樹木を一本も伐ることなく、木立と呼応する新たな建築が構想された。その結果として、この独特な形態が生まれてきたのだという。とりわけ、1階の大半はピロティ空間となっており、建物を地面から持ち上げる、林立する丸太の通し柱によって支える姿が強い印象を与える。
この構成は、設計者の意図した通り、軽井沢の湿気対策に加え、賑わう道路との適度な距離感を生み出し、2階に落ち着きある居心地の良い空間をもたらしている。さらに、階段の手すり子や机、椅子の脚まで、木立をイメージさせるように先端に向かって細くなるデザインを取り入れるなど、空間体験の一体性が徹底的に追及されている。
施主から全面的な信頼を得て、テーブルや椅子、ソファなどの家具に至るまで、すべてを設計しつくせることが、設計者をより奮い立たせたに違いない。施主と設計者の理想的な関係性こそが生み出した総合的な空間の質が評価された。(赤松 佳珠子)

赤松 佳珠子(あかまつ・かずこ)
建築家、株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ代表取締役・パートナー、法政大学デザイン工学部建築学科教授
1968年 東京都出身/1990年 日本女子大学家政学部住居学科卒業/1990年 シーラカンス(のちC+A, CAt)に加わる/2002年 CAtパートナー/2016年 法政大学デザイン工学部建築学科教授/現在、CAtパートナー、法政大学教授
(撮影:ToLoLo studio)
建築家、株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ代表取締役・パートナー、法政大学デザイン工学部建築学科教授
1968年 東京都出身/1990年 日本女子大学家政学部住居学科卒業/1990年 シーラカンス(のちC+A, CAt)に加わる/2002年 CAtパートナー/2016年 法政大学デザイン工学部建築学科教授/現在、CAtパートナー、法政大学教授
(撮影:ToLoLo studio)















































