








- 東側外観。既存木造を減築して敷地境界を変更。RC棟の避難階段となる鉄骨棟を増築。
- 改修前外観。隣接して建っていた木造とRC造の建物。
- 南東東側からの俯瞰。
- 鉄骨棟。
- 小屋裏を現した木造棟2階執務室。
- RC棟1階のラウンジ。
- 1階平面図
- 断面図
事務所:
株式会社再生建築研究所一級建築士事務所
本計画は、古くから商店街や卸売業と住居が混在する日本橋浜町エリアにおいて、2棟の建物と敷地をつなぎ合わせた複合施設である。
築44年のRC造の建物(RC棟)は、屋外避難階段がないことによる用途制限ゆえに活用が難しかったが、隣地に建つ築59年の木造住宅(木造棟)を取り込むことでこの課題を解決した。
違法状態にあった木造棟を減築して適法化させることで、RC棟の避難階段を増築するための余白を創出。建物単体では困難だった複合用途への再生を、2敷地を横断させ一体化することで可能にした。
増築した鉄骨棟は、4本柱の剛接合による純ラーメン構造と、木造棟の既存補強柱と同寸法の3本柱によるピン構造で構成した。本来は建築に従属する存在である避難階段に、オフィスや踊り場、デッキスペースを設えることで、2棟間を縫うような立体的な動線と中間領域を生み出している。
また、既存の2棟は耐震補強と共に壁を解体し、1階をラウンジとして開放することで、木造棟や鉄骨棟と裏地に建つ店舗の中庭と接続させた。敷地を連結し境界を融解させる再生型開発により、都市の中に多様な用途や人びとによる景色が生まれ続けることを期待している。(和田 豊次、神本 豊秋)

ワクト
1958年 東京都生まれ/1981年 東京デザイン専門学校建築科卒業/1989年 ワクト設立/1993年 ワクト本社渋谷猿楽町に移転/2023年 ワクト本社日本橋浜町に移転

再生建築研究所
1981年 大分県生まれ/2004年 近畿大学九州工学部建築学科卒業/2004~12年 青木茂建築工房/2012年 神本豊秋建築設計事務所設立、東京大学生産技術研究所特任研究員/2015年 再生建築研究所設立/2018年~ ミナガワビレッジ入居運営
再生建築研究所
1960年 神奈川県生まれ/1984年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1984~91年 前田建設工業/1995年 環境デザイン研究所/2003年 NEXT A&A/2019年~ 再生建築研究所
多くの既存建築ストックは、現行の建築基準法令への適合が難しかったり、検査済証の未交付などによる違法状態であるとされ、有効活用の障壁となっている場合がある。この建築は、手仕事のまち・日本橋浜町において、このような障壁を抱える建築ストックの違法状態を解消するだけでなく、1棟単体では扱いづらいものを複合させて再生し、地域の活性化と向上を図った計画である。
隣接する延べ面積の実態違反であった古い木造棟とRC造の2棟を耐震化、適法化に伴い減築し、増築した避難階段棟(S造)によって接続して、オフィス・サウナの複合用途に再生している。
改修した両側2棟の隣地の間を縫うように設けられた開口部や共用部は、周辺に余白を生み出した。生まれた余白は、まちに開かれたピロティとしての活用や耐震補強を行いながらも隣地とつながる新たな開口により、街とつながり、都市の中に公共性を帯びた空間を創出している。グランドレベルで隣地とまちがどのように関わるのか考えられている。
このような事業者を悩ます既存建築ストックの2棟活用により可能性を拡げ、人を引き込み、都市とのつながりを生む複合的な再生を可能とした建築を評価したい。(奥野 親正)

構造家、株式会社久米設計 執行役員 構造設計本部本部長
1968年 三重県生まれ/1991年 明治大学工学建築学科卒業/1993年 明治大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了/1993年 久米設計









