TODA BUILDING
設計|戸田建設
第52回東京建築賞|一般部門二類 優秀賞
中央通りに面した西側ファサード。
  • 中央通りに面した西側ファサード。
  • 中央通り側の広場。
  • 1階共通ロビー。
  • ベンチとテーブルが配された北側歩行者専用空間。*
  • 9階役員エリアの準不燃処理木ルーバーの内装。**
  • 断面図
  • 配置・1階平面図
建築主:
戸田建設株式会社
表彰建築士
事務所:
戸田建設株式会社一級建築士事務所
施工:
戸田建設株式会社
所在地:
東京都中央区京橋一丁目7番1号
主要用途:
事務所、飲食店舗、物販店舗、展示場、興行場、美術館、駐車場
構造:
RC造一部S、SRC、CFT造
階数:
地上28階、地下3階、塔屋1階
敷地面積:
6,147.44㎡
建築面積:
4,679.32㎡
延床面積:
94,912.79㎡
竣工:
2024年9月
撮影:
川澄・小林研二写真事務所、*千葉 顕弥、**エスエス
設計趣旨:
 TODA BUILDINGは単なる一企業の本社屋建て替え計画ではなく、これからの100年を見据え、この街を支える存在としてのあるべき姿を探求した結実である。
 ハード面では、国内トップレベルの耐震性能を実現し、持続可能な脱炭素社会を目指す環境性能、高まる自然災害危険度を想定した災害時拠点機能を実装した。
 ソフト面では、低層部に芸術文化複合施設として現在を生きるクリエイティビティの表出の場、高層部のオフィスにおいては、スマート化を含めた多様な働き方に対応できる場を提供する。セキュリティを保ちながらも建物を街に開くことで、アートとビジネスが交錯し多様な人びとの交流を誘発する取り組み、東京の骨格軸「中央通り」で行われるさまざまなアクティビティの受け皿となる、緑豊かな憩いの広場を生み出した。
 隣接地と共に芸術文化拠点「京橋彩区」にアートの力で賑わいを生み、「街に開かれたアートを実践する新社屋」として、多くの人から親しまれる街区への発展に寄与している。当開発が、アートを楽しむ人、ワーカー、まちの人びと、京橋のまちと共に長く愛され親しまれ、新たな文化を創出することを期待している。(中川 康弘、一條 真人)
中川 康弘(なかがわ・やすひろ)
戸田建設設計室長
1975年 愛知県生まれ/2001年 名古屋工業大学大学院社会開発工学専攻修士課程修了/現在、戸田建設設計室長、名古屋工業大学実務型教員
一條 真人(いちじょう・まさと)
戸田建設主管
1983年 東京都生まれ/2009年 日本大学大院理工学研究科建築学専攻修士課程修了/現在、戸田建設主管、日本大学理工学部非常勤講
選考評:
 京橋の地で120年余りになる企業が、次の世紀も京橋の街を⽀えていこうという強い意志のもと実現させた本社ビル建て替えプロジェクトである。
 ダブルH形コアウォールによる⾼い耐震性能、太陽光+コージェネ・⾃家発+3回線特⾼受電による複数エネルギー源確保のBCP機能に加え、免震広場と建物内に確保された約2,650㎡の⼀時滞留スペースにより地域の災害時拠点機能(DCP)を実装している。企業イメージを担う⾼層部エレベーションのシャープな縦ルーバーは、綿密な形状スタディにより⽇射制御性能と通⾵性能を備え、超⾼層初のZEB Readyを達成している。
 旧本社ビルが建っていた場所をそっくりそのまま中央通りに平⾏なオープンスペースとして開放し、さまざまな賑わいのイベント開催の場とするとともに、ふと⾜を⽌めやすい⽇常的に開かれた空間になっている。エントランスすぐ横の3層吹き抜け展⽰スペースは新進アーティストに無償で提供され、展⽰費⽤も企業側が持っていると聞く。
 従来の⾃社ビルとは⼀線を画す種々意欲的なプログラムや、各所に込められたさまざまな建築的⼯夫がいずれも企業の深い地元愛から発していることに改めて感銘を覚える。最優秀賞作品にも劣らない⼒作であろう。(宮原 浩輔)
宮原 浩輔(みやはら・こうすけ)
一般社団法人東京都建築士事務所協会相談役、株式会社山田守建築事務所代表取締役社長
​1956年鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社