⻲有のシェア / ケアハウス
設計|ニコ設計室
第52回東京建築賞|住宅部門 優秀賞

北側外観全景。前面道路からのアプローチはスロープで車椅子で出入りができる。左側1階は音楽室。右側は車庫。





- 北側外観全景。前面道路からのアプローチはスロープで車椅子で出入りができる。左側1階は音楽室。右側は車庫。
- 東側アプローチを上がったポーチより中庭を見る。右は玄関の引き戸。中庭の奥は「酒場・食堂」。
- 2階北側の個室1。
- 1階平面図
- 2階平面図
建築主:
非公開
表彰建築士
事務所:
事務所:
一級建築士事務所ニコ設計室株式会社
施工:
株式会社宮嶋工務店
所在地:
東京都
主要用途:
住宅
構造:
木造
階数:
地上2階
敷地面積:
224.73㎡
建築面積:
133.38㎡
延床面積:
158.76㎡
竣工:
2024年9月
撮影:
傍島 利浩
設計趣旨:
東京都の住宅街の角地に計画した4⼈家族のための住宅です。ご家族4⼈は50代〜80代で個々の⽣活の独⽴性が⾼いため、「単世帯住宅」というよりも⼤⼈4⼈のためのシェアハウスのような暮らし方を要望されました。そこで共有する中庭の周りに距離を持ちつつ集落のように個々の暮らしが存在するような計画としています。⼀⽅で「将来この家で家族を順番に看取りたいので、在宅ケア、訪問ケアがしやすいようにしたい」というご要望もありました。そこで外部からのアプローチをふたつ設け、一方は車椅子で出入りできるようにスロープとし、訪問介護の際の他者の出入りをスムーズにしています。そして⽞関近くの個室を「看取り部屋」として設定し、家族を順番にストレスなく⻑期間介護のしやすい動線計画として考えました。街⾓には独立した⾳楽室を併設しています。このスペースは将来的には切り離して他人に貸すこともできると同時に、このボリュームがご家族の静かな暮らしを人目から守るという大切な役割ももたせました。棟の隙間から中庭に⼊り込む社会との連続性を感じつつ、いつか訪れる死を暮らしの中に内包する暮らし。ご家族の静かな日常が住宅街の閉じた1軒家の中での出来事となるのではなく、街や社会と接続した物語となるといいな、と考えました。4人でシェアする住宅でありつつ、未来のケアハウスでもあるという2重の未来を重ね合わせた計画です。(西久保 毅人)

西久保 毅人(にしくぼ・たけと)
ニコ設計室
1973年 佐賀生まれ/1995年 明治大学理工学部建築学科卒業/1997年 同大学院修了/卒業後、象設計集団、アトリエハルを経て2001年一級建築士事務所ニコ設計室設立/2011年 法人化 一級建築士事務所ニコ設計室株式会社
ニコ設計室
1973年 佐賀生まれ/1995年 明治大学理工学部建築学科卒業/1997年 同大学院修了/卒業後、象設計集団、アトリエハルを経て2001年一級建築士事務所ニコ設計室設立/2011年 法人化 一級建築士事務所ニコ設計室株式会社
選考評:
大人4人の家族が個の自立を尊重しながら緩やかに集うその姿は、単なる同居を超えて、これからの時代の家族のあり方を優しく示唆しているようだ。看取りまでを見据えた切実な機能を備えつつ、豊かな日常へと昇華されている点が巧みである。中庭を囲む集落のような構成は、家族のほど良い距離感を生むだけでなく、深い庇が室内外の境界を曖昧に連続性を演出していると同時に、中庭がリビングルームのようなスケール感で落ち着いた空間となっている。将来、体が不自由になったとしても、寝台から季節の移ろいを肌で感じられる様は、在宅ケアのひとつの到達点ともいえる。
前面道路へ向かって独立して開かれた趣味空間としての音楽室は、将来的な貸出やイベント利用をも見据えており、私的な住まいを地域社会へと接続する温かみのあるな結節点となっている。低く抑えられた車庫と共に、歩行者に威圧感を与えず親しみを感じさせる構成は、「家づくりは街づくり」という設計思想の具現にほかならない。
その空間の密度を決定づけているのが、設計者の慈しみが行き届いた細部への配慮である。住まう人の心に静かに寄り添う色彩計画や、掌に馴染む建具金物のひとつひとつに、日常の些細な瞬間を慈しむ思想を感じる。(安藤 暢彦)

安藤 暢彦(あんどう・のぶひこ)
東京都建築士事務所協会副会長・千代田支部、マルタ設計
1958年 静岡県生まれ/日本大学大学院理工学研究科修了/1983年 マルタ建築事務所(現:マルタ設計)入社/現在、同社代表取締役社長
東京都建築士事務所協会副会長・千代田支部、マルタ設計
1958年 静岡県生まれ/日本大学大学院理工学研究科修了/1983年 マルタ建築事務所(現:マルタ設計)入社/現在、同社代表取締役社長
















































