RK_FLAT
設計 ビーフンデザイン
松本悠介建築設計事務所
ANDO Imagineering Group
松本悠介建築設計事務所
ANDO Imagineering Group
第47回東京建築賞|共同住宅部門奨励賞
建築主:
非公開
設計:
株式会社ビーフンデザイン一級建築士事務所
一級建築士事務所松本悠介建築設計事務所
株式会社ANDO Imagineering Group一級建築士事務所
一級建築士事務所松本悠介建築設計事務所
株式会社ANDO Imagineering Group一級建築士事務所
施工:
株式会社ジーエスビルド
所在地:
東京都目黒区
主要用途:
長屋
構造:
木造
階数:
地上2階
敷地面積:
211.75㎡
建築面積:
116.13㎡
延床面積:
201.49㎡
工事期間:
2018年11月〜2019年9月
撮影:
平井 広行
設計趣旨:
目黒区に建つ木造2階建ての4住戸集合住宅の計画。集合住宅という複数の人が集まって住む建物に対して、いろいろな個性を持った人たちが共存し、互いにコミュニケーションが促されるような在り方、その雰囲気が街にも広がり、地域コミュニティが生まれるきっかけになるものを目指した。
そこで、庭やテラス、外構塀といった外部の要素に着目し、それらをうまく建物に取り込むことで、住環境の多様性と街との距離感(開くこと・閉じること)を模索した。
外構的要素と建物を一体的に計画することで、内部空間と外部空間が連続的な明るく開放的な住環境をつくり出し、住人同士や周辺環境との多様な距離感が、コミュニティが生まれるきっかけになることを期待している。
住人同士が生活の雰囲気を感じることのできる場所、室内の延長としても使える場所として、建物を含めた敷地全体にテラスを配置し、生活が内外に連続して展開できる計画としている。
また、それぞれの住戸を異なる空間形式(ワンルーム、コートハウス、積層形式など)で計画し、いろいろなライフスタイルに対応できる計画とした。建物構成は、外構的要素(隣地外構塀やCB塀など)として1階部分にRC造高基礎を設け、その上に木造平屋を乗せる構成としている。RC造高基礎に水平力を負担させることで、外周部の構造的負担を減らし、広く開口を設けることが可能になった。庭や周辺環境(隣地や通り)を積極的に取り込むことで、まちを身近に感じることのできる計画としている。
(進藤 強、松本 悠介)
進藤 強(しんどう・つよし)
ビーフンデザイン
1973年 兵庫県生まれ/1996年 京都精華大学美術学部デザイン学科建築専攻卒業/1998〜2002年 アーキテクトン/2001年 ビーフンデザイン共同設立/2004〜2007年 Boo-Hoo-Woo.com/2008年 ビーフンデザイン一級建築士事務所設立/2012年 株式会社ビーフンデザインに改称
ビーフンデザイン
1973年 兵庫県生まれ/1996年 京都精華大学美術学部デザイン学科建築専攻卒業/1998〜2002年 アーキテクトン/2001年 ビーフンデザイン共同設立/2004〜2007年 Boo-Hoo-Woo.com/2008年 ビーフンデザイン一級建築士事務所設立/2012年 株式会社ビーフンデザインに改称
松本 悠介(まつもと・ゆうすけ)
松本悠介建築設計事務所
1977年 愛媛県生まれ/2000年 東京理科大学工学部建築学科卒業/2002年 東京理科大学理工学研究科建築学専攻建築設計学修士課程修了/2003年 中央アーキ共同主宰/2007 – 09年 横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA設計助手/2011 – 12年 東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師/2014年 松本悠介建築設計事務所主宰
松本悠介建築設計事務所
1977年 愛媛県生まれ/2000年 東京理科大学工学部建築学科卒業/2002年 東京理科大学理工学研究科建築学専攻建築設計学修士課程修了/2003年 中央アーキ共同主宰/2007 – 09年 横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA設計助手/2011 – 12年 東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師/2014年 松本悠介建築設計事務所主宰
選考評:
集合住宅のあり方として、各住戸のプライバシー確保を最優先とする方向はあるが、本作はそれとは真逆の、住まう人びとの日常的な触れ合いや交流を前提とした集合住宅である。各住戸は専用のアプローチが用意されており、建築基準法上は「長屋」である。江戸時代の都市型住居に端を発する長屋は、まさに人びとの濃い人間関係を前提とした集合住宅であった。ライフスタイルが大きく様変わりした現代においても人情味溢れる長屋的住まいを可能にしたのは、入居者募集段階から関わる設計者の集合住宅プロデュース能力があればこそだろう。入居応募者は、ファミリータイプに住まう「大家さん」とともに事務所代表自ら面接を行い、入居者同士の交流への積極的参加が入居の条件であるとのことだ。ワンルームタイプなどは入居者の入れ替わりはあるものの、良好なコミュニケーションが保たれていることが現地審査でも感じられた。
このように住む人を選ぶ集合住宅であるが、RC造高基礎などの構造的・外部的要素によって各住戸の仕切りと視線の方向性が規定・誘導され、入居者同士の関係性や親密度に応じた4タイプの住戸はそれぞれに専用の屋外スペースを持ち、絶妙な距離感を保ちつつ生まれるコミュニケーションにより、住まいとしての価値が高まることが期待される。(宮原 浩輔)
宮原 浩輔(みやはら・こうすけ)
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会理事、一般社団法人東京都建築士事務所協会常任理事、港支部、株式会社山田守建築事務所
1956年鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社/現在、同代表取締役社長
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会理事、一般社団法人東京都建築士事務所協会常任理事、港支部、株式会社山田守建築事務所
1956年鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社/現在、同代表取締役社長