年頭のご挨拶
アフターコロナに向けて元気よく
児玉 耕二(東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計)
 あけましておめでとうございます。会員、並びに賛助会員の皆さまにおかれましては、心新たに今年こそ良い年になりますように、と祈念する気持ちで新年を迎えられたのではないかと思います。当協会も未来に向けて積極的に、デジタル化や働き方改革等の課題に取り組み、「建築ふれあいフェア」等のイベントや協会活動の活性化を推進し、一歩前へ踏み出す年としたいと思います。
 昨年は自粛やイベント中止の連続でしたが、一方でさまざまな問題点が顕在化し迅速な解決を迫られることにもなりました。職場では多様なワークスタイルを受容することを求められ、地域における生活様式の変容も大きくなっています。また、通信技術の活用は格段に進み、Web会議や在宅勤務を前提とした業務態勢が常態化しつつあります。ICTを利用しての多くの情報交換がリモートで実現し、今後はハイブリッドにそれぞれの適性に応じたやり方で多様な活用が行われることになると思われます。
 これからは新しい働き方のニューノーマルを実現していかなければなりません。昨年は働き方改革推進WGが中心となりWeb会議利用ノウハウのセミナーを実施したほか、スパイラルアップ事業の一環では「リ・アーキネット」のHPを開設する等Webを活用した活動を活発に行ってきました。さらに今後のデジタル化に備えては会員データベース再構築プロジェクトチームを立ち上げ、協会の迅速な活動を支えるデータベースの構築を推進中です。これらの活動によって今を乗り越え、協会の未来に向けての礎づくりを進めてまいります。
 当協会の本部事務局でもWeb会議システムの整備を進め、さらに3密のないオフィスにすべく間仕切りやレイアウトの改修変更を行いました。Webでの会議やセミナーが簡便に開催できるようになり、来訪会員が委員会活動や登録手続き等をスムースに行えるオフィスとなりました。主に物理的環境の改善ですが、会員に対しても執務環境改善や働き方改革を推進するきっかけになると考えています。
 恒例行事である「建築ふれあいフェア」も昨年は中止となりましたが、今年は開催する方針で2年越しの準備を進めています。Web併用も視野にいれてハイブリッドなイベント企画を検討していますが、多様な形で楽しめるフェアになることを期待しています。また、多摩センターで開かれる「こどもフェア」への参加も検討し、このような機会を捉えて「ミニ建築ふれあいフェア」を開催し新宿以外の地域にも展開していく予定です。
 いま建築士事務所の開設者の中にはリタイアの時期を迎えている人も少なくなく、建築設計界を目指す若者は減りつつあり、建築士事務所の数も減少しています。マネジメント支援センターでは設計図書保存等のサービスを開始していますが、今後はサービスを拡大し事業継承や人材育成にも対応できるセンターへと発展させたいと思っています。一朝一夕にはいかない課題でありますが、青年部会の活動活性化や起業を目指す若者を支援する活動に注力しながら建築設計界の未来に繋がる施策を進めてまいります。
 当協会は日事連に30名以上の委員を派遣し重要な役割を担っていますが、私は皆さまの強い推薦を受けて昨年日事連会長に就任しました。社会ニーズの大きな転換期であることに加えてコロナ禍の中にあり日事連も困難な問題を数多く抱えていますが、当協会がリーダーシップを発揮して重責を担い、今後とも建築設計界の発展に寄与していく所存であります。会員の皆さまの、これまでにも増しての叱咤激励、協力支援の程、切に宜しくお願い申し上げます。
 結びになりますが、皆さまの益々のご健康とともに新年が幸多き年となりますことを祈念申し上げ、年頭の挨拶とします。元気を出して頑張りましょう。
児玉 耕二(こだま・こうじ)
東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計
1951年 宮崎県生まれ/東京大学大学院修士課程修了/1976年株式会社久米設計入社/同取締役副社長を経て現在、同顧問/2017年11月に一般社団法人東京都建築士事務所協会会長に就任