働き方改革WG緊急セミナー「テレワークに挑戦──誰もが知っておきたいツールのポイント」
令和2(2020)年6月12日(金) 14:00~16:00 @Web会議(Zoom使用)
村上 淳(東京都建築士事務所協会理事、働き方改革推進ワーキンググループ委員、株式会社山下設計)
事務所協会会議室から発信。
 不意打ちのように始まった今回のコロナ禍で、私たちの仕事も否応もなくリモートでの働き方に舵を切らされることになった。当協会でも、従来は新宿の本部で行われてきた各種の会議が、今ではその多くがWeb会議システムを使ってリモート開催されている。
 こうした大きな流れを受けて、当協会では「Web会議システムに参加する、活用する、主催する」を主眼とした緊急のセミナーを開催した。
 講師は(株)大塚商会・共通基盤通信NWプロモーション部の中村真之氏にお願いし、「参加する」では基礎知識と参加体験を、既に経験されている方に向けては「活用して、主催する」の両視点から、「Zoom」と「MicrosoftTeams」をメインに、システムの特徴や脆弱性の情報から具体的な使いこなしにまで焦点を当てた内容で、質疑応答(質問は事前に受付)も含めて2時間の講義を、約60名の参加者全員がWeb会議システムで聴講した。
 すでにかなりの方がWeb会議システムを利用されていると思われるが、ここでは当日のセミナーの基本的な内容について整理して紹介する。
「テレワーク」の概念とその目指すもの
 「テレワーク」とは、『ICT(情報通信技術)を活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をすること』(「tele=離れたところで」+「work=働く」)。
 「テレワーク」という働き方が目指すものは、まず会社にとっては、①業務効率の改善、②BCP(非常時の事業継続)、③優秀な人材の確保、が挙げられる。
 一方、社員にとっては、④長時間労働の抑止(通勤時間の有効活用、育児介護と仕事の両立等)、⑤業務に集中できる環境の提供、がある。
リモート会議システム
 リモート(遠隔)会議システムは、専用機を用いる「テレビ会議システム」と、PCベースの「Web会議システム」のふたつに大別される。
Web会議システムの比較。
Zoomシステムの概要
 Zoomの特徴は、①独自圧縮技術で高品質・途切れにくい、②ライセンスが必要なのは主催者のみで参加者には不要、③招待された参加者がミーティングに参加する仕組みが簡単、④比較的低価格、の4つ。
 Zoomシステムが持っていたセキュリティ面での脆弱性は、最近のシステム改善により、そのほとんどが既に改修済みとなっている (有償版)。
Zoomシステム実践のポイント
Web会議に参加する場合:
  • インターネットへの接続は、光回線経由が望ましい。
  • マイク、スピーカーの設定、ミュートの設定等を確認。
  • 自分の画像にも注意 (ライティングや背景にも配慮)。
Web会議を主催する場合:
  • アカウントの取得が必要 (無償版アカウントでは、現状では通信が暗号化されないためにセキュリティ上の懸念があることに注意)。
  • 参加者を招待するには、ミーティングのアドレス、ID/パスワードなどの必要情報をメールで送信。
  • アクセスしてきた参加者は、「待機室」機能を経由させて簡単な認証を行う。
  • 会議の主催者は、個人情報の保護、共有される資料情報の著作権、参加者の肖像権等について注意が必要。
アンケート
 最後に、当日のセミナー終了後に参加者に向けて行ったアンケートの結果を紹介する。約50名弱の方から回答をいただいた。
アンケート結果。
村上 淳(むらかみ・あつし)
東京都建築士事務所協会理事、株式会社山下設計
1956年秋田県生まれ/1982年 東京工業大学理工学研究科修了後、株式会社山下設計入社/現在、同社監理技術部門長/中央支部