VOICE
早川 佳孝(東京都建築士事務所協会賛助会員会情報委員、『コア東京』編集委員、富田商事株式会社 企画・デザイン部 建築意匠参与)
『コア東京』を編集する会誌・HP専門委員会の委員(編集委員)として6年目の春を迎え、今年の桜の開花は早いなと思いつつ、写真撮影を行っている一方「新型コロナウイルス」の影響で在宅勤務状態にある。そこで、編集委員とは何か、かつどうあるべきかを考えてきた。その今、参考にした本が2冊。
1冊目が『編集者 漱石』(長谷川 郁夫著、新潮社、2018年)という本。その内容は「編集者という新たな視点から漱石を捉える画期的評伝」とある。
 2冊目、『検証|平成建築史』(内藤廣+日経アーキテクチュア著、日経BP、2019年)は、昨年3月に内藤さんの講演で聞いた「バブル崩壊後の30年。平成は何を変え、何を積み残したか」がテーマである。
編集委員としてふたつの役割があると考えていた。ひとつは、原稿依頼、取材によりものを伝えること。ふたつ目は伝えるべきものをつくり出すという行為である。
 ここでは、上記の「2冊目」と「ふたつ目」を考えてみたい。
 内藤さんは近年の社会を動かす主要素として、モノ、エネルギー、情報、環境の4つを挙げ、それぞれの相関関係を描いた。人それぞれの考えを図化し、今の社会を冷静に見据えることを勧めている。そしてひとりひとりが思う大事な要素を挙げて、その相互関係を整理し、お互いに比較して議論してみてほしいと述べている。内藤さんはまた、情報技術は交通にも変化をもたらし、地域コミュニティのあり方を大きく変える可能性があると述べる。
私は「モノ」と「情報」の関係に注目し、編集委員になった時から「BIMが私の課題である」とこの欄でも申し上げている。上記「ふたつ目」として賛助会主催特別講演会にて2018、19年にBIMを企画テーマとして実行した。そして2020年は「イノベーション」がテーマである。
早川 佳孝(はやかわ・よしたか)
東京都建築士事務所協会賛助会員会、富田商事株式会社
1942年 三重県生まれ/1967年 明治大学建築学科卒業/1967〜99年 鴻池組/2000〜05年 日本工学院専門学校非常勤講師/2008年〜 イトーキ代理店富田商事勤務
カテゴリー:その他の読み物
タグ:VOICE編集後記