私の趣味 27
水彩画と人・空間──絵画×建築×写真
早川 佳孝(東京都建築士事務所協会賛助会員会情報委員、『コア東京』編集委員、富田商事株式会社 企画・デザイン部 建築意匠参与)
「明治村・帝国ホテル」『コア東京』2019年10月号掲載。
「パリ・ノートルダム大聖堂」『コア東京』2018年9月号掲載。
水彩画(私の活動)
 もう7年前になるが、地元の横浜・港南台地区センターに行った折、廊下に水彩画が数点展示されていて、その横に会員募集案内があった。
 「大方水彩画教室」と称し、地区センターの集会室で月2回水彩画を描き、大方一三先生に評価していただくというものである。
 高校の美術教科以来もう50年余り絵を描いたことはなかったが、高齢者の趣味として適切かなと思い入会した。もう一方、地元の人たちとのコミュニケーションづくりをとの思いもあった。年数回戸外へスケッチに行くが、その折には食事と共に一杯となって語り合うこととなる。
 入会して分かったが教室は土曜日であるにも関わらず、会員は高齢化社会を象徴するように仕事をリタイアした人たちばかりのようだった。生徒は現在7名男性のみだが、入会当時、女性が2名いた。しかしひとりは夫の介護のため、ふたり目は親の介護のため家を離れられず両名共休会中。ただ、年1回年末には忘年会ならぬ、あんみつパーティをやることにしていて、その時は来てくれる。
大方アトリエでのグループ仲間。
大方アトリエ計画図。
大方アトリエ全景。(撮影:筆者)
人・空間(大方アトリエ)
 建築物は人と空間があって成り立つものである。写真は絵画の大方先生のアトリエであり、吹き抜け部を持つ延べ10坪余りの2階建て独立建築物である。この建物は先生がすべて自身で設計施工したとのことで、木材調達から大工仕事まで自身でこなしている。
 ただし建築の専門家でなければできない確認申請、基礎、防水工事、構造体組み上げ、サッシ等は頼んだそうだ。
 先生は鎌倉美術家協会の広報部長をなさっている。建築関係の仕事をしてきたわけではなく、元医療器具販売の社長をしてきた方である。
 年2、3回程度、ここで特別に教室をやっていただいている。アトリエ建物の周りは緑がいっぱいであるが、螺旋階段で屋上に出ると、そこには菜園が広がっている。
早川 佳孝(はやかわ・よしたか)
東京都建築士事務所協会賛助会員会、富田商事株式会社
1942年 三重県生まれ/1967年 明治大学建築学科卒業/1967〜99年 鴻池組/2000〜05年 日本工学院専門学校非常勤講師/2008年〜 イトーキ代理店富田商事勤務
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