VOICE
泉 晃子(東京都建築士事務所協会理事、新宿支部、株式会社タムラ設計)
オオアラセイトウ
ドクダミ
木々の緑がみずみずしく美しい季節です。春から夏の草木の成長には目を見張る思いがし、喜びがあります。雑草とひとくくりにされる草にも美しい小さな花が咲きます。小さな可憐な花も群れて咲くとカーペットのように素敵です。
 春の初めに咲くオオアラセイトウは紫花菜ともいわれ、薄紫色の花は私の大好きな花です。別名花大根とも、ショカツサイともいわれ、満州から日本へ渡ってきた経路の歴史を読むと深い話がありました。
 夏に繁茂するドクダミの白い花も好きな雑草です。名前の由来は毒を矯める・止める意味とのことで、生薬として、解毒効果ありとされてきました。なんともきりっと白く美しい白十字の花と思いませんか。
最近、福岡伸一さんと阿川佐和子さんの対談『センス・オブ・ワンダーを探して』を読みました。福岡さんは生物学者・農学博士で、生命の定義に動的平衡という概念を提示し、生命は動的平衡にある流れであると唱えている方です。この著書の中では、子ども時代にいろいろなもののオーラを浴びたことがその人をずっと支え続けていくことがある、というテーマについて、おふたりの体験談や生物の理論に展開して語られていきます。
 私は子どものころの建築空間の体験についても、そのようなことがいえるのではないかと思います。皆さんには、子どものころに訪れた農家や、塔や、巨大なスペースや、なぜか強く印象に残っていた場所がありませんでしたか? 建築に関わるきっかけがそこから芽生えていたのかもしれませんね。
広報の担当を受けてからちょうど2年になりました。毎月の『コア東京』の編集委員会で掲載記事について、会員の皆様の興味をそそる、また役に立つ内容になるよう話し合っています。各支部からの報告は毎月たくさんあり、どの支部も活発に活動されている様子に触発されます。今後の企画についての皆様のご意見をぜひお聞かせください。
泉 晃子(いずみ・あきこ)
東京都建築士事務所協会理事
1944年 富山県生まれ/1967年 日本女子大学住居学科卒業/1995年(株)タムラ設計入社/現在、同顧問/新宿支部
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