私の趣味 ㉓
ピアノと合唱
野瀬 有紀子(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員会、練馬支部、女性のための住まい相談室/のせ一級建築士事務所)
2019年3月28日、ピアノ発表会。
2019年3月9日、練馬区民合唱団第27回定期演奏会の様子。
 ここ数年、音楽に目覚めている私です。
 大学を卒業してから建築業界一筋の私。建築の世界に長年どっぷりと浸かっていたものですから、建築とはまったく関係のない世界に触れることはとても新鮮です。
 4年前から、子どものころから気になっていたピアノを習い始めました。中学時代の友人がピアノ教室を自宅で開いており、そこに月1度通っています。友人が根気よく丁寧に教えてくれるので感謝しています。友人は私が弾きたいと思う曲を弾かせてくれて、最近では私も楽譜に音符の数が少ないと物足りなさを感じるようになりました。
 3月28日には、発表会もあり、坂本龍一の「energy flow」を弾きました。聴くのは簡単、しかし坂本龍一作曲の独特な旋律は思った以上にたいへんでした。舞台の上でピアノの前に座ると頭が真っ白になり、これまで経験したことのないような緊張感に包まれ、思うように弾くことができません。一緒に発表する子どもたちの度胸に驚くばかりです。
 家では、できる限り毎日少なくとも15分~30分は練習するようにしています。下手な自分の練習演奏でも、アコースティックなピアノの音色は、1日の疲れを癒してくれます。70か80歳になるころに、ショパンやラベルをさらっと弾けるようになれば嬉しいですね。
 それから、ちょうど2年前、2017年の春に団員が約100人在籍する練馬区民合唱団に入りました。団員の80%が練馬区民か在勤者で構成されている。30代から80代まで幅広い年齢層の混声合唱団です。著名な作曲家たちがつくったミサ曲をオーケストラの演奏で歌ってみたくて、3年前の区民合唱団の定期演奏会を観て、聴いて、入団を決めました。歌うことは元来好きですので、カラオケで歌謡曲などを歌うことはありましたが、本格的に歌うのは初めてです。パートはアルト。
 入団していざ歌ってみますと、難しいのなんのって……。教会ラテン語で書かれた歌を読むだけでもたいへんです。まだ慣れないので楽譜には読み仮名を振り、練習に臨んでいます。国立音楽大学を昨年退任された先生の指導の内容はアカデミック。先生には「楽譜通りに歌ってください」とよく注意を受けますが、その楽譜通りというのが難しい。
 しかし、ミサ曲というのは、いずれもとてもきれいな旋律で、歌いながらも私の心を癒してくれます。練習は毎週土曜日の夜に約3時間あり、結構な体力を使います。歌い終わった後は心地よい疲労感と、耳に残る歌声、歌を口ずさみながら家路を辿ります。スッキリした気持ちで1日を終えます。
 3月9日(土)に入団後2度目の定期演奏会を終えました。
 「アヴェ・マリア」(上田 益 作曲、ブルックナー 作曲)を2曲、モーツァルト作曲の「ミサ曲(ハ短調)KV427」、中山晋平10のメロディーより、「雨降りお月さん」他数曲(岩河智子 編曲)を歌いました。中野ZEROホール大ホールで行われましたが、たいへん好評で約900人のお客様を迎えることができました。
 ピアノの楽譜も合唱の楽譜も、楽譜はいわば音楽の図面ですが、建築と同じで、幾百年の月日を経ていても図面さえあれば同じものが再現できるのですね。モーツァルトやブルックナーの思いを再現できる喜び、嬉しいですね。特に合唱は、指揮者、オーケストラ、ソリストの方たちとチームになってひとつのものをつくり上げていくので、建物完成までの工程に似ているかもしれません。
 まだ少し先ですが、すでに来年の予定も決まっています。ぜひ、いらしてください。
 慌ただしい日常を少しの間忘れることができます。心よりお待ち申し上げます。
【来年の定期演奏会の予定】
2020年2月23日(日)午後開演予定 練馬文化センター大ホールにて
●上田 益 作曲「ミサ・ブレヴィス ~平安への祈り~」
オルガンの伴奏で歌う予定
●源田 俊一郎 編曲 「混声合唱のための唱歌メドレー ふるさとの四季」
オーケストラの演奏で歌う予定
●ブルックナー「モテット曲集より
入場は無料ですが、入場券が必要です。
野瀬までお気軽にお声をおかけください。
練馬区民合唱団では、団員を募集しております。詳しくはホームページをご覧下さい。
https://www.nerima-kumin-chor.info/
野瀬 有紀子(のせ・ゆきこ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員会・練馬支部、女性のための住まい相談室/のせ一級建築士事務所
女子美術大学卒業/木造戸建住宅の設計に長く携わる
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