平成31年 新春賀詞交歓会報告
東京都建築士事務所協会
文:飛田 早苗(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計)
写真:大平 孝至(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、台東支部監事、株式会社ダイリン一級建築士事務所)
 平成31年(2019年)1月30日、恒例の新春賀詞交歓会が、東京・明治神宮外苑に佇む明治記念館「蓬莱の間」にて開催された。すがすがしい冬晴れの日、夕刻4時に始まったイベントは、来賓66名を含め、正会員・賛助会員合わせて273名が出席する盛会となった。
 躍動感あふれる深川福住太鼓の重低音が会場中に響き渡り新年にふさわしい幕開けとともに、事務局の林さんの司会により平成最後の賀詞交歓会がスタートした。
挨拶する児玉会長と背後に副会長。
児玉会長年頭挨拶(要約)
  • 昨年は、本会の70周年記念事業を盛大に実施することができたことを、この場を借りて御礼申し上げたい。
  • 一昨年、会長に就任してから、29すべての支部を廻り、会員の声、要望を聞いた。それらを反映すべく、本部では、3つのワーキンググループを立ち上げた。今年は、それぞれ実践、実績づくりの段階に入っていきたい。
    人材育成・活用、男女共同参画事業検討WG。休眠人材のマッチングでは、すでに効果が出ている。
    建築士事務所マネジメント支援検討WG。保険制度など福利厚生や事業継承をサポートする制度設計を検討している。
    建築士の地位向上検討WG。これから、シンポジウム開催や提言書策定など、具体化していきたい。
  • 国に関する動きでは、報酬基準に関する告示98号の実施や建築士試験の実務要件に関する建築士法改正があった。今後もわれわれからの要望や提言など、改革にむけた動きを加速させていかなければいけない。
  • ブロック塀問題や応急危険度判定員の登録など、われわれの専門的領域に対する地域からの期待がますます大きくなっている。今後ともしっかり応えていきたい。
髙島なおき東京都議会自由民主党東京都支部連合会幹事長
中嶋義雄都議会公明党議員団団長
増子ひろき都民ファーストの会東京都議団幹事長
東京都都市整備局の方々。右より、青柳一彦市街地建築部長、青木成昭耐震化推進担当部長、高橋竜太郎市街地建築部建築企画課長、曽根邦友市街地建築部建築指導課長
来賓の方々からのご挨拶
髙島なおき東京都議会自由民主党東京都支部連合会幹事長
 国の報酬基準の見直しを受け、東京都も速やかに対応していかなくてはならないが、そのためにも仕事の選別を行い、皆さまが力を発揮できる環境をしっかりと整えていきたい。また、私たちは入札制度の改革PTを立ち上げ、課題に取り組んできた。最低制限価格を導入し、実証実験なども行いながら、新たな入札制度のメニューをつくり上げることが私たちの仕事だと思っている。
 ラグビーのワールドカップとオリンピック・パラリンピックを控え、東京の街づくりは大きな変革期を迎える。これからも、皆さま方と協力して新たな東京をつくっていきたい。
中嶋義雄都議会公明党議員団団長
 20年間のお付き合いを通じて、本会のさまざまな活動を拝見してきた。阪神淡路大震災以来、皆さまの多大な貢献を得て、各自治体が耐震診断、耐震改修を進めることができた。また、悪徳商法被害者の救済などの社会問題にも積極的に尽力するなど、本会の活動には本当に敬意を表している。
 私たちがずっと訴えてきた東京都「住宅局」の復活を、新たな形で実現することができた。この新組織を局と同格の独自予算が確保できる住宅政策の中心軸に据えたいと考えている。防災対策、2025年問題、高齢者住宅など、本会会員の皆さまのお力が断じて必要であり、今後とも都政へのご協力を賜りたい。
増子ひろき都民ファーストの会東京都議団幹事長
 東京の街づくりは、外国人からも高い評価を得ている。
 ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックといったメガイベントが続くが、われわれは、その先も東京が持続可能な都市として発展していけるようしっかり動いていく。これからも東京のためご尽力賜りたい。

 その後、日ごろよりご指導いただいている東京都都市整備局の青柳一彦市街地建築部長、青木成昭耐震化推進担当部長、高橋竜太郎市街地建築部建築企画課長、曽根邦友市街地建築部建築指導課長、続いて関係団体の方々が紹介された。
古希者代表として織本真一郎さんへ児玉会長から記念品贈呈。
古希の方々と会長、副会長。
佐々木宏幸日本建築士事務所協会連合会会長
佐々木宏幸会長の音頭で乾杯。
古希記念品贈呈
 古希を迎えられた会員53名の内11名の方が出席され壇上に上がられた。代表して豊島支部の織本真一郎さんへ児玉会長から記念品が贈呈されると、会場からは盛大な拍手が贈られた。
祝杯、中締め、閉会
 佐々木宏幸日本建築士事務所協会連合会会長の音頭で乾杯の運びとなり、楽しい歓談のひとときを経て、毎年恒例となっている中村栄太郎名誉会員の中締め、山下登副会長の閉会ご挨拶と続き、つつがなくすべてのプログラムが終了した。
各ブロックのテーブル。
会長を囲んで本部役員。
出席の方々の「今年の抱負」
 歓談中の会場を駆け回り、皆さまに今年の抱負を伺った。
 今回祝福を受けた古希の方々からは、「生涯現役!」、「自分が培った経験や技術を後進に伝えていきたい」といった力強いお言葉が数多く聞こえた。
 また、会員からは、木造の耐震化に尽力したい、4月発行予定の建築構造設計指針(オレンジ本)の講習会を成功させたい、といった具体的な目標をうかがった。さらに、長年本会に所属されてきた会員からは「今の協会は、会員の声が十分に届いていない。かつてのように選挙による代議員制度に戻すべきではないか」と現在の組織運営に関する問題提起もあった。
 ほかにも、数々の熱いメッセージをいただくことができた。今年が、本会と会員各位にとって、実り多い1年となることを期待したい。
飛田 早苗(とびた・さなえ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計
神奈川県横浜市生まれ/慶應義塾大学総合政策学部卒業/現在、株式会社日建設計広報室課長
大平 孝至(おおひら・たかし)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、台東支部監事
1984年 東京電機大学建築学科卒業/株式会社ダイリン一級建築士事務所勤務。マクドナルド、松屋、鳥貴族等、チェーン展開の飲食店の建築設計及び店舗デザイン設計をする