村野藤吾の名作「目黒区総合庁舎」見学会
第3ブロック|平成30(2018)年11月10日(土)15:00〜@目黒区総合庁舎
白井 康雄(東京都建築士事務所協会目黒支部長、(株)三京建設一級建築士事務所)
エントランスホール。
茶室棟外観と内部。
大金庫室。(撮影:筆者)
 今年(平成30/2018年)の2月ごろ、第3ブロック有志による「目黒区総合庁舎」の見学の開催について、佐賀井尚世田谷支部長からお話があった。そこで、3月末ごろ、目黒区建築課より施設課につないでいただき、そこで設定していただいた日程で、施設課の岡野雅章係長のご案内による見学会を開催することができた。全国各地から殺到する見学者を案内されていることもあって、とてもわかりやすく、面白い施設のご説明で、われわれ建築関係者にとっても有意義な内容だった。
 見学はまず、敷地の全体像、アプローチ、キャノピーを見て内部に入り、結婚式も行われるエントランスホール、圧巻の「村野階段」、屋上庭園、区議会会場を見学した。一般には見学できない地下3階の大金庫室、地下4階の機械室などは、当時の保険会社の底力をみたような気がした。中庭を見せる設計となっている本館と別館を結ぶ渡り廊下から見た水と緑の庭園は、夕日に映えていつもより綺麗に見えた。最後は区民に多く利用されている茶室棟と日本庭園を見学(当日は利用の予約を入れず見学に当ていただいた)。庭園との一体感のある自由な発想の茶室は他に見られない迫力があり、天井の照明からも、決して形式にとらわれない設計であることを感じた。
 目黒支部は日ごろ、目黒区役所で支部会を行っていることもあり、当然ながら旧千代田生命本社としてつくられた村野藤吾の作品であることは知っていたが、今回普段見られない地下室や茶室、議場などを見学できたことはとても有意義であった。2時間があっという間に終わり、第3ブロックの皆で岡野課長にお礼を申し上げて見学会は完了した。
白井 康雄(しらい・やすお)
東京都建築士事務所協会目黒支部支部長、(株)三京建設一級建築士事務所