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飛田 早苗(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計)
コレクターでも、目利きでもありませんが、骨董やアンティークに心惹かれます。
先日、見ごろを迎えた京都の紅葉には目もくれず、1,000店以上のお店が立ち並ぶ北野天満宮の「天神市」を半日かけて回りました。途中、古代の土器~室町時代の陶器の欠片などを扱うお店で見つけた縁の欠けた弥生式土器の器。形の美しさと2000年以上前の記憶が3,000円で手に入るという手軽さに惹かれて、家に連れて帰ってきました。あちこち欠けていて何に使えるわけではないのに、目にするたびに撫でまわしては、はるか昔の誰かがつくり、日常的に使ってきたものを自分が手にしている不思議さにうっとりしています。
弥生時代という名は、東京都文京区弥生の貝塚から土器が発掘されたことにちなんでいるそうです。その東京に昨年10月、現代アートの巨匠・草間彌生の美術館が誕生しました。木・金・土・日曜日・祝日のみの開館ということもあり、いまだに完全予約制で1カ月先まで予約でいっぱいのようです。以前、デパートの販売会で見た彼女の代表的なモチーフであるカボチャの油彩画は、B5サイズぐらいの小さな作品でも〇百万という値がついていました。彼女の作品にみられる自由な曲線と増殖するかのように繰り返される具象イメージは、弥生よりは、むしろ縄文っぽいといえるのかもしれません。
簡単に手に入る古代の弥生と、入手困難な現代の彌生、ふたつの「ヤヨイ」がマイブームです!
飛田 早苗(とびた・さなえ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員、株式会社日建設計
神奈川県横浜市生まれ/慶應義塾大学総合政策学部卒業/現在、株式会社日建設計広報室課長
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