平成30(2018)年4月に開校した有明西学園は、江東区初の小中一貫の義務教育学校として建設された。基本設計・監理が株式会社久米設計、実施設計が久米・竹中共同設計企業体と、共に東京都建築士事務所協会江東支部の会員事務所によるものである(施工:株式会社竹中工務店)。
「木の学校」をつくりたいとの江東区長の強い要望と、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、「木」にまつわる地場産業のアピールの一環という江東区のニーズがあったという。
玄関の中に入ると木の優しいぬくもりがあり、とても明るく広々としていて暖かさが感じられる。体育館・プールは小中用に各2カ所あり、体育館上部にプールがある計画になっているので、学校というよりはリゾートホテルのような素敵な印象を受ける。木と白を基調とした設計の普通教室では、竹中工務店の「燃エンウッド®」柱・梁の説明、室内細部にわたる仕上等の工夫について説明をいただいた。
最上階にあるランチルームの窓側は柱のないデザインになっている。その構造について栗田さんから丁寧に説明をいただき、たいへん参考になった。廊下、階段にもさまざまな工夫がこらされており、普段なかなか見ることができない所を見学できたことは、貴重な体験だった。こんな素晴らしい学校で授業を受けられる子どもたちはさぞ幸せなことだろう。
見学後の豊洲での懇親会でも話に花が咲き、楽しく、とても勉強になった見学会であった。
白石 秀樹(しらいし・ひでき)
東京都建築士事務所協会江東支部長、(有)アーキッズ一級建築士事務所
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