「はにぽんプラザ(本庄市市民活動交流センター)」見学会
品川支部|平成30(2018)年6月29日@埼玉県本庄市
下原 末彦(東京都建築士事務所協会品川支部)

正面外観。
山車のためのふたつの扉。
駐車場にマタニティマーク。
エントランスを入ったところの展示ホールを見下ろす。
移動観覧席と昇降ステージのある多目的ホール。
 6月29日、東京建築士会品川支部の主催で埼玉県本庄市にある「はにぽんプラザ」を参加者13名で見学してきた。
 JR本庄駅を降りて、線路沿いに高崎方面へ歩くと5分もかからないうちに建物が見えてきた。3階建ての近代的な素晴らしい外観のフォームだ。この建物は本庄市の市役所が移転新築された跡地に市民の強い要望があり建てられ「本庄市市民活動交流センター」となっている。エントランスに入るとその先に大きな3階まで吹き抜けの展示ホールが目についた。
 まずは3階のIT活動室に入り、設計者である(株)相和技術研究所の設計本部、小林正典室長より建物の概要説明があった。設計中には高校生を含んだワークショップを行い市民の声を十分に生かした計画となっているようだ。その後見学させていただいた。
 1階の先ほどの吹き抜けは、どうやらこの地方で有名な「山車」を展示するスペースのようだ。市には「山車」が10基あり、うち8基は市指定文化財になっている。このスペースには2基展示できるようだ。次に多目的ホールに入った。収納式の椅子は、職員の方が親切にも電動で動かしセットしていただいた。また昇降式ステージも電動にて設置できるようになっている。
 各室、スペースを見て回ったがいちばん驚かされたことは、どの階にも学生や一般の方が多く来館しており、放課後の学習や各種打ち合せを行っていたことだ。本当に市民の憩いの場、市民活動交流センターとして十分過ぎるほどの機能を果たしていると実感した。各室は用途別に床仕上げなど考慮しており、廊下のところどころには一面に貼り物ができるよう仕上げ材を考えている。外構も駐車場としては十分のスペースがありそうだ。車椅子駐車場にマタニティマークも併用していたのを初めて見かけた。電気自動車用の充電スペースも最近ならではである。
 帰りには設計者への感謝と皆の慰労を称え、本庄市へ若干の経済協力をさせていただいた。ますますこれから暑くなっていく一日を満喫して見学会を無事終えた。
下原 末彦(しもはら・すえひこ)
東京都建築士事務所協会品川支部支部編集員、(株)大建設計
1961年 鹿児島県生まれ/1986年 鹿児島大学卒業/1993年 (株)大建設計入社/2010年 東京事務所企画部長、現在に至る/品川支部