VOICE
野瀬 有紀子(東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員会・練馬支部、女性のための住まい相談室/のせ一級建築士事務所)
リビングから窓越しに撮影したメジロ。
毎年11月末ごろになると、小さなわが庭の柿の木にさまざまな鳥がやって来る。渋柿なので、人間はいただかないのだが、鳥たちはおかまいなしのようだ。スズメはもちろん、メジロ、オナガ、ヒヨドリ、ムクドリ、シジュウカラなど。カラスは日ごろから、うまいものを食べているのか、やって来ない。幸いだ。メジロやシジュウカラがとりわけかわいい。
冬季のみ営業のわが家の「柿ノ木食堂」。美味しくないから、いつまでたっても実を取らないものだから、1月いっぱいくらいは実は残っていて、冬のこの時期は餌を求めて鳥たちは「柿ノ木食堂」を訪れてくれる。昨年は、夜中にバルコニーを走る何かの足音で目が覚めた。ハクビシンの親子もやってきて、夜間も食堂は大繁盛。珍客に驚いた。帰りにバルコニーに迷惑な土産まで置いていった。
2階リビングの大きな窓に面して「柿ノ木食堂」はあるので、休日、私はリビングのソファに座り、おいしいコーヒーをいただきながら鳥たちの様子を楽しむことができる。自ら設計した小さな家だが、東京23区内に住みながら自然を感じることのできる住まいづくりは、まあまあ成功だったのかな、と思う。
野瀬 有紀子(のせ・ゆきこ)
東京都建築士事務所協会会誌・HP専門委員会・練馬支部、女性のための住まい相談室/のせ一級建築士事務所
女子美術大学卒業/木造戸建住宅の設計に長く携わる
記事カテゴリー:その他の読み物
タグ:VOICE編集後記