

建物内部は一般に開放されていて、自由に入館でき、いろいろな催し物や展覧会、ギャラリーを見ることができます。もちろん図書館ですから、広大な贅沢なつくりのクラシック様式の空間の大閲覧室で自由に本を読むことができます。日本の本や紳士録なども置いてあります。
建物の正面幅は二ブロックに及ぶので、スケッチには苦労します。現場で直接スケッチするのは難しいので写真を使っていますが、写真を撮るにも一枚には納まらず、何枚かを繋ぎ合わせてそれを基に描きました。正面の向かいの通り(四一丁目)から見るときは、通りにある建物が視界に入らない五番街まで出て首を左右にひねらなければなりませんから、上の絵のように見えるところは実はないのです。
この建物の後ろ側、六番街までのブロックは、ブライアントパークと呼ばれる公園になっていて、ファッションショーやその他いろいろのイベントが開かれます。冬にはスケートリンクもできて、たくさんの人びとがスケートを楽しむのを見ることができます。六番街側にある噴水は寒さで凍って氷の彫刻のようになってしまいますが、それでも多くの人がここを訪れ、摩天楼の谷間の憩いの場所になっています。

森川 浩弌郎(もりかわ・こういちろう)
1960年 大阪市立都島工業高等学校卒業/1960年 大阪で圓堂建築設計事務所に入所/1962年 圓堂建築設計事務所東京に移転にともない東京に移転/1966 - 1968年 圓堂建築設計事務所勤務中、中村順平先生に師事する/1991 - 1997年 YENDO ASSOCIATES INC.ニューヨーク事務所に勤務/現在、米国コネチカット州に在住
記事カテゴリー:歴史と文化 / 都市 / まちなみ / 保存
タグ:思い出のスケッチ