本部役員就任挨拶
平成29・30年度 東京都建築士事務所協会
常任理事:宮原 浩輔、平松 良洋、広瀬 淡、竹内 健、植竹 和重、阿部 憲章、理事:安藤 暢彦、小田 惠介、加藤 峯男、三井 雅貴、泉 晃子、栗田 幸一、川越 裕章、永池 雅人、中島 康之、臼井 勝之、山崎 眞、戸張 毅、鳴海 義一、青谷 懿、斎藤 正、中田 千恵子、監事:富樫 亮、安藤 欽也、竹松 和利、専務理事:前川 秀則
常任理事
宮原 浩輔
第1ブロック担当、機構改革WG、日事連対応、青年部会、東京建築賞特別委員会、東京建築賞選考委員会、(安全支援協会:役員)

 第1ブロックのご推薦をいただき常任理事に選任されました。
 1年半あまり機構改革検討WG委員として、本部の組織・定款諸規定の根源的見直しなど改革の準備作業を担わせていただきました。WGでの議論を通じて当会の組織運営を初心に立ち返って見つめ直すことができ、その成果が先日の総会での定款改正・役員改選として結実されたことはこのうえない喜びです。しかしながら改革はまだ完全ではなく、会長候補者が複数立った場合のプロセスの透明性など課題を残しています。引き続き議論を深めてまいりたいと思います。
 今回の建築士法の改正で一定の効果があったとはいえ、設計監理業務適正化の重要性に関する国民の理解はまだ充分ではありません。内外でいわゆるポピュリズムの蔓延が懸念されるなか、社会に向けた正確で建設的な情報発信を行うわれわれ専門業団体の責務はたいへん重要で、国民・都民を惑わす誤った情報をきちんと正す姿勢が求められています。「最低制限価格など不要、安いほど良い」などというプロパガンダは、発注者責任を放棄して将来の都民につけを回す間違った考え方です。口当たりだけは良い毒饅頭に選挙民が惑わされないよう、都知事選・都議選においても適切な改革が必要なのかもしれません。
 これからも職責をしっかりと認識し着実に果たしてまいる所存ですので、会員の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げる次第です。
宮原 浩輔(みやはら・こうすけ)
1956年 鹿児島県生まれ/1981年東京工業大学建築学科卒業後、株式会社山田守建築事務所入社/現在、同代表取締役社長/港支部
常任理事
平松 良洋
第2ブロック担当、機構改革WG、法務制度委員会、賛助会員会、建築相談室

 第2ブロックの諸先輩、同僚会員の皆様からご推挙いただき、第90回定時総会のご承認を経て理事に選任されました。昨期(平成27・28年度)は、私の長い協会会員歴を想い、当協会への感謝と御礼と心得て本部監事役をお受けいたしました。一般社団法人化が軌道に乗り、本部移転も無事実現し、新たに建築士法の改正も成立し、業界組織として一応落ち着いた感はあります。しかし建築士法という法律が変わったことが直ちに設計事務所の経営向上を約束するものではありません。われわれ建築設計界全体の地道な努力と社会貢献の積み重ねなくして獲得できるものではありません。したがってわれわれが設計業務を通じて国づくり、まちづくりの専門事業者団体として一般社会、建築需用家の信頼と期待を獲得するためには、誠意と責任ある行動を約束できる組織でなくてはなりません。また、士法改正の主旨が生かされ社会に認知されるためにも健全な財政に裏打ちされ、開かれた組織でなくてはなりません。これまで役員の皆様は本協会及び会員事務所のより安定した将来を思い、一昨年から魅力的かつ安定感のある協会組織づくりを目指して、機構改革に取り組んでこられました。これは今後も引き継いでいかねばならないと思っています。
 当協会がたいへん幅広い会員で構成されているため、多くの矛盾や苦悩を抱えていることは事実ですが、これを超えて結束・発展させねばなりません。
平松 良洋(ひらまつ・よしひろ)
1941年 東京都生まれ/1966年 日本大学大学院修士課程 理工学研究科建設工学専攻修了/現在、株式会社新環境設計 取締役会長/文京支部
常任理事
広瀬 淡
第3ブロック担当、会員増強WG、会員研修委員会、指導委員会

 平成29年6月28日、第90回通常総会で常任理事に就任させていただきました。
 皆様の代表の役員として、全力で任務の遂行に努力してまいる所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私の与えられた分掌は標記の通りですが、特に、「会員研修委員会」は今期より委員会の統合により発足した委員会です。会員研修委員会の役目は、会員サービスと会員の増強だと思います。今、当協会が抱えている最大の課題ですが、会員の減少傾向が続いています。この負の連鎖を断ち切るために、魅力ある協会へと成長し、会員が増える方向に舵を切っていかないといけないと思います。私は10年間の理事の経験を活かし、会員間の情報の共有と会員サービスの向上に寄与していける協会に発展するよう尽力してまいりたいと思います。本部とブロック、ブロックと支部の緊密な連携により、支部の活動が活発になるよう配慮していきたいと思います。このような地味な活動の持続により、協会をさらに磐石にしていけると思います。
 今後、事務所協会が活発な活動を通じて、会員同士の連携を強め、さらに発展して行けるよう努力してまいる決意です。
広瀬 淡(ひろせ・たん)
1944年 東京都生まれ/1967年 明治大学工学部建築学科卒業/有限会社伸建築企画/世田谷支部
常任理事
竹内 健
第4ブロック担当、会員増強WG、事業企画委員会

 練馬支部、第4ブロックから理事候補の推薦をいただき、平成29年度定時総会にて常任理事のご承認をいただきました。
 平成27・28年度理事を務めさせていただきましたが、責任を果たせたかどうかの反省の上、会員の声を届けることのための常任理事でありたいとまず思います。
 機構改革については、端緒についたばかりと思います。今後、各ブロックで会としてどうあるべきかについての議論が深まることが大切であると思っております。
 会員増強については、団体としての地位向上のためにもそれが必要であることは間違いありません。
そのためには、会に求められているものは何かを明確にし、それを提供することが必要と思います。小規模事務所にとっては、個々では得難い情報等の共有の場があるとありがたいと思えるはずです。たとえば、申請前の相談窓口、デザインレビュー、事故事例の蓄積と共有化、事務所を閉める前にその業務データを会に預けることで長期に保存されるシステム、これは、建築主のみならず、社会的にも有益で評価されるはずです。
 そして、なによりも会として進むべき方向を会員の皆さんと共に考え、すこしでも実践していきたいと思っております。
竹内 健(たけうち・けん)
1959年 東京生まれ/1982年 早稲田大学理工学部建築学科卒業/1983年 株式会社安江設計研究所/現在、一級建築士事務所株式会社竹内建築研究所 代表取締役/練馬支部
常任理事
植竹 和重
第5ブロック担当、70周年実行委員会、総務・財務委員会、広報編集委員会、建築ふれあいフェア特別委員会

 第5ブロック会から推薦をいただき常任理事に就任いたしました。以前、東京会では編集専門委員会、事業委員会、業務委員会をそれぞれ2年間務めてきました。また支部役員を16年、うち支部長として4年間務めてきました。この間、耐震事業では区と葛飾支部とのつながりを密にできたと思います。今回は東京会での理事として広報編集委員会、建築ふれあいフェア、70周年実行委員会、総務・財務委員会等を担当します。
 昔(2003年)建築ふれあいフェアで折り紙を通じて観客を集める努力をしましたが、なかなか集まらなかった記憶があります。近年の盛り上がりは素晴らしいです。『コア東京』を読んでいると各ブロック内の会員の活躍、研修旅行などの報告をよく目にし、会員相互の交流がうまくいっていることが実感できます。どちらも歴史のある委員会です。その時々の中でいいものをつくってきたと思いますので、この流れを壊さないように進歩していく委員会にしたいと思います。
 しかしながら、一般の方から見るとまだ建築士事務所の存在は薄く感じられているように見えます。東京都建築士事務所協会は身近な問題に取り組む、良き相談者として存在していることを示していきたいと思います。
植竹 和重(うえたけ・かずしげ)
1951年 東京都生まれ/1974年 足利工業大学工学部建築学科卒業/植竹一級建築士設計事務所/葛飾支部
常任理事
阿部 憲章
第6ブロック担当、70周年実行委員会、機構改革WG、業務技術委員会、建築物耐震改修評価特別委員会、人材力支援事業運営委員会

 この度、第6ブロックの推薦を受け、第90回定時総会において常任理事に選任されました。
 過去において、会員減少対応の機構改革により3委員会体制になった折、本部にて6年間会員委員会委員、南部支部において8年間副支部長および4年間支部長を務め、その後、直近1期2年間ブロック担当理事を経験させていただきました。
 会員委員会在籍の折、経費節減と東京の地理的中心付近に移転することによる会員の利便性向上を目的として、浜松町より西新宿に本部を移転する事業に参画させていただきました。当時の目的を果たし、会勢を拡大しつつ、同じ新宿ながらさらに利便性の良い現在の地に本部移転の時期に理事を務めさせていただいています。
 直近の機構改革に伴い新設された常任理事に選任されましたが、初理事会にて示された担当業務一覧を確認したところ、常任理事会を始め7つの会議・委員会の出席、併せてブロック協議会・ブロック内6支部各種行事出席も含め、本業との両立を如何にするかは、今後の課題です。
 本部で協議された事項をブロック・支部に説明、会員各位の理解と協力を得て、われわれ「一般社団法人東京都建築士事務所協会」が、さらに発展することの一助となれるよう努める所存です。
阿部 憲章(あべ・のりあき)
1953年 北海道生まれ/芝浦工業大学建築学科卒業/一級建築士事務所アド構造設計株式会社 代表取締役/南部支部
理事
安藤 暢彦
総務・財務委員会、会員研修委員会、青年部会

 第1ブロックより推薦され2期目の理事に就任しました。機構改革により再編されました会員研修委員会、青年部会を担当することになり、研修委員会時代同様、これからも会員の皆様と直接お付き合いさせていただく機会も多いかと思いますのでよろしくお願いいたします。建築士事務所数が減少する中、会員増強のためには、まず多くの会員の皆様が協会のさまざまなプログラムに参加、利用していただき、交流を深め、闊達な意見交換できるよう魅力ある活動が必要であると感じます。そのような視点からも幅広いニーズの中から参加者の声や支部からの要望等も反映し、より多くの会員が積極的に参加できるプログラム(講習会や見学会)を検討し実施していきたいと思います。
 建築を取り巻く環境や社会制度・法令、経済状況など諸要件が目まぐるしく変化していますが、自らが進化し続けることや、会員相互に刺激し、向上していくことで社会に還元できるようにと願っています。最後に協会の次世代を担うべく青年部会員のエネルギッシュなパワーに触れ活力を享受しながら、協会の発展のため微力ながらも精一杯務めさせていただきます。
安藤 暢彦(あんどう・のぶひこ)
1958年 静岡県生まれ/日本大学大学院理工学研究科修了/1983年 株式会社マルタ建築事務所(現:マルタ設計)入社/現在、同常務取締役/千代田支部
理事
小田 惠介
会員増強WG、業務技術委員会

 第1ブロックの推薦を受け、定期総会で理事に選任されました。
 これまで平成21(2009)年からの中央支部副支部長としての地元での活動に加え、平成23(2011)年から6年間本部の業務委員を務めました。この間、業務報酬算定指針の発行、標準仕様書の改訂、構造標準図、木造耐震関連の標準図・Q&Aの発行、日事連の「JAAF‐MAST」の講習会、その他各種講習会の開催など、協会の会員へのサービスの一環としての委員会活動に従事してきました。
 今般、わが国における建築業界を取り巻く環境は、グローバル化、高度情報化、少子高齢化社会の渦中で激動の状況にあります。大都市圏への人口集中に対する有効な政策が行われ、一方で地方都市再生のためのさまざまな施策、試みが行われています。
 人びとが、安全で快適に暮らせるまちづくり、いえづくり、環境づくりに、われわれ建築の設計等にかかわる者の果たすべき役割は、ますます重要となっています。東京都建築士事務所協会の活動を通じて、より良い社会の実現に微力ながら寄与したいと思います。
小田 惠介(おだ・けいすけ)
1952年 大分県生まれ/早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了/1979年 日建設計入社/2008年 東西建築サービス入社/現在、同常務取締役/中央支部
理事
加藤 峯男
東京三会、法務制度委員会

 今期は、担当が情報委員会から法務制度委員会に変わります。この場をお借りして今期の私の抱負を述べさせていただきます。
 日本人は、お上が治める時代が長く続いたせいか、戦後が70年経ち、民主主義が根を下ろした今になっても、法律が「お達し」と呼ばれた時代と変わらず、常にお上から下りてくるものだと思い込んでいるふしがあります。法律については、いつまで経っても受け身根性が抜けません。現行の法律・制度・規制等が時代に合わなくなり、それらが私たちの生活に必要以上の負担を求め、実情に合わないものになっていたとしても、自らそれを是正しようと立ち上がる人はなかなかいません。たいていが、日々の生活に追われ、下りてきたものを唯々諾々と受入れるだけの人がほとんどだと思います。
 これまでの法務制度委員会は、この大方の人の法律に対する対応と同じで、常に受け身であり、お上から下りてきたお達しをただ伝えるだけのメッセンジャーボーイの役割しか担ってこなかったと私は思っています。
 これからの法務制度委員会は、この姿勢を改め、自ら建築設計、まちづくり、建築士の業務のありかたについて考え、その改善に向けて能動的に働きかけができるものに変えていかなければならないと考えています。
加藤 峯男(かとう・みねお)
1946年 愛知県豊田市生まれ/1969年 名古屋大学工学部建築学科卒業、同年圓堂建築設計事務所入所/1991年 同所パートナー/2002年 株式会社エンドウ・アソシエイツ取締役/2003年 同代表取締役/港支部
理事
三井 雅貴
法務制度委員会、賛助会員会

 第1ブロック新宿支部推薦により、引続き理事に再任いただきました。
 建築士事務所を取り巻く社会・経済環境はここ数年来劇的に変化してきております。法制度のあり方はもとより、官庁工事におけるECI方式や、デザインビルド方式の採用等、発注方式の多様化、最低入札価格制限の撤廃の動き、さらには、杭偽装問題等、建設に係わる諸課題の顕在化等々、課題山積の状況です。
 こうした最中にあって、建築士事務所の社会的役割はますます大きくなってきており、社会に対してより効果的にかつ積極的に発信していくことが極めて重要であると考えております。
 私は、設計事務所に所属して約30年間にわたり設計実務に携わって参りました。この経験を活かし、かつ会員の皆様のさまざまなご意見や知見を集約し、これを十二分に活かしながら、これら諸課題の解決に取組んでまいりたいと考えています。
三井 雅貴(みつい・まさき)
1960年 愛知県生まれ/1987年 豊橋技術科学大学大学院修士課程(建設工学専攻)修了/同年 株式会社日本設計入社/現在同社常務執行役員/新宿支部
理事
泉 晃子
広報編集委員会、建築相談室、人材力支援事業運営委員会

 第1ブロック新宿支部からの推薦で理事に就任させていただき、緊張しています。
 業務は広報編集委員及び建築相談室を担当させていただくことになりました。微力ながら精一杯取り組んでいきたいと思っています。
 本来、建築設計の業務はクライアントから信頼され、人びとの夢を育む仕事でありますが、昨今の建築設計事務所を取り巻く環境が変化してきて、建築設計・工事監理等業務に求められる内容が複雑多岐になり、次第に高度なものへとなってきて、苦慮することもあります。
 設計・監理業務の適正化と建築主の利益保護を目的とした公的団体として、建築士事務所協会の荷なう役割が次第に拡大し、期待されています。
 協会の会員に対してはよりどころとなることを、建築主へは建築相談や苦情相談の提供をし、一般市民へは建築事務所の役割、業務に対して深く認知してもらうことが大切と考えます。
 新宿支部では副支部長から支部長、監事を務めさせていただきましたが、今後は会員からの意見を本部に伝達するとともに、本部活動、支部活動から見えてくる問題点の解決の一助となれるように努力していきたいと思います。
泉 晃子(いずみ・あきこ)
1944年 富山県生まれ/日本女子大学住居学科卒業/1995年(株)タムラ設計入社/現在、同顧問/新宿支部
理事
栗田 幸一
会員増強WG、会誌・HP専門委員会

 一般社団法人東京都建築士事務所協会加入事務所数が都内全設計事務所登録数の51%以上にならないのはなぜだろうか? 他の建築関連2会は参加資格が個人であるが本会は設計事務所単位(たとえ個人事務所であっても)だからであろうか? 今まで本会を支えてきて下さった方々の廃業などで会員建築士事務所が減少していく中、新規加入事務所があっても本会会員数は伸び悩んでいる。
 高齢化し数人で運営している会員事務所が多い中で本会の果たす役割は何であろうか? 本会の「ブランデイング」は何を実施すればいいのだろうか?
 建築学科を卒業してもディベロッパー関係へ卒業生が流れていく、この現実。本会が会員の自己啓発を援助しながら、技術革新や発想転換等を進めながら地域を見つめ、互いに向上していきませんか? 次世代に対して夢や希望を継続していくためには、本会から戦略的で不断の情報発信をしていくしか道はないと思います。
栗田 幸一(くりた・こういち)
1949年 東京浅草生まれ/祖父、父と3代目/1970年 東海大学工学部建築学科卒業/1970〜74年 伊奈建築設計事務所/1975年 父の経営する株式会社栗田建築事務所入社し、現在、代表取締役/台東支部
理事
川越 裕章
会員研修委員会、青年部会

 平成29・30年度の新理事に就任いたしました。私は第2ブロック・北支部に所属しており、事務所は東京都北区王子本町に開設しています。地域の建築物の設計等を長年携わってまいりました。また、事務所協会の北支部にも協力いたしておりますが、この度、本部の理事として会員研修委員会及び青年部会担当として活動することになりました。
 初めての本部の理事で、わからないことも多いのですが、若い世代の希望に溢れた色々な着想を具現化できるように協力し、協会本部と青年部会とのつなぎ役として、より良い結果を出せるように努力していきたいと思っています。 建築士事務所協会のますますの発展のため、微力ながらも力を尽くしてまいります。
川越 裕章(かわごえ・ひろあき)
1950年 東京都生まれ/日本大学卒業/有限会社トッププランニング/北支部
理事
永池 雅人
事業企画委員会、東京建築賞選考委員会、人材力支援事業運営委員会

 このたび理事として2期目を務めさせていただくことになりました。とはいっても間に機構改革を挟んでの2期目ということで、その役割も自ずと変わってくるものと認識しています。かつての理事会の役割は常任理事会にてほぼカバーされることを考えると、理事の役割はむしろ委員会に軸足を置きながら、常任理事会、さらには会長、副会長へのインターフェース機能といったところでしょうか。
 一方建築士事務所としての業務に目を転じてみますと、その社会的立ち位置が大きく変わりつつあるように感じます。昨今の建設費の高騰のあおりを受け、入札不調が相次ぐ中で、発注方式が設計施工へと大きく舵を切り始めました。このような状況の中で、われわれ建築士事務所としてはもう一度社会的な信頼を取り戻し、健全な経済活動の一翼を担えるようその足場を固めなおすことが必要だと考えます。そのための先導的な役割を果たすのが建築士事務所協会であり、われわれ理事の責務と認識し、2年間取り組んでまいりたいと思います。
永池 雅人(ながいけ・まさと)
1957年 長野県生まれ/1981年早稲田大学理工学部建築学科卒業後、梓設計入社、現在常務執行役員/品川支部
理事
中島 康之
構造技術専門委員会

 構造技術委員会担当理事に就任しました。構造技術委員会の担当として、委員の皆さんの細かい意見を聞いて、ご意見を集約して本部に伝えていこうと考えています。また、本部が考えていることを皆さんに伝えることも重要な役目であると考えております。
 私は、長年大手事務所で構造担当者として、数々の構造設計をしてまいりました。これらの経験を活かして、構造設計委員会が会のために活動できるよう、また、会がますます発展していけるよう、皆さんのお役に立つことを進めてまいりたいと考えています。
中島 康之(なかじま・やすゆき)
1943年 東京都生まれ/中島建築設計事務所/大田支部
理事
臼井 勝之
機構改革WG、事業企画委員会、木造耐震専門委員会、構造技術専門委員会、建築物耐震改修評価特別委員会

 第3ブロックから推薦をいただき、本年6月の定時総会で理事に就任いたしました。
 これまで渋谷支部長として2期4年間、渋谷区の地域貢献活動への協力や本会とのパイプ役として、微力ながらその役職を務めさせていただきました。また本会の活動では、建築物耐震改修評価特別委員会、木造耐震専門委員会、構造技術専門委員会の委員として、主に構造の分野で協力させていただいております。
 このたび新しく担当になります機構改革WGと事業企画委員会では、経験豊かな副会長・常任理事のもと、ひとつずつ勉強しながら気負うことなく個々の事案に対処していきたいと思っています。そして、かつて私たちがそうだったように、次世代を担う若い人たちが建築設計に夢を持って未来と向き合える社会、長年建築士として業務を行ってきた方々が安心して次世代へ継承していける社会、そのような時代に少しでも近づけるよう、各委員会の中で活動していきたいと思います。来年9月で本会は設立70周年を迎えるそうですが、諸先輩がこれまで培われてきた伝統や経験を活かしながら、新しい時代の建築設計業界を構築するための一助となるよう寄与できればと思います。
臼井 勝之(うすい・かつゆき)
1954年 北海道生まれ/株式会社テラ設計工房/渋谷支部
理事
山崎 眞
機構改革WG、東京三会、広報編集委員会

 本年度から第4ブロック推薦の理事として就任させていただきます。
 私が理事として取り組みたいことは「建築士地位の向上」です。学生時代に建築士になりたいと夢を見て、現実に建築士となってみると、建築士の地位が低いことに驚かされました。この様な経験をしたのは私だけではないと思います。欧米ではarchitectは医者や弁護士と共に自由業として尊敬されています。なぜ日本では地位が低いのでしょうか。
 この問題に取り組もうと少し勉強をはじめたところですが、なかなか根が深く難しい問題のようです。大きな問題なので時間もかかりたいへんそうですが、このことに興味を持っている方は事務所協会の中にもいらっしゃると思いますので、協力し課題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。幸い「共通の課題を議論する場」である東京三会の担当となりましたので、この辺も議論させていただきたいと思っています。「建築士地位の向上」に関してご意見のある方はぜひ事務局までご連絡願います。
山崎 眞(やまざき・まこと)
1950年 神奈川県生まれ/一級建築士事務所株式会社ライジング/豊島支部
理事
戸張 毅
会員増強WG、会誌・HP専門委員会、建築ふれあいフェア特別委員会

 会員の声を聞き、会員の声が協会の発展につながることを願っております。
 当協会も来年設立70年、明治150年という節目の年を迎えます。日本には、古来より続く「やまとごころ」につながる建築文化があります。古くは三内丸山遺跡の大型高床建物、現存する最古の木造建築である法隆寺、軍事・政治目的から発展した城郭建築、明治時代のころヨーロッパよりもたらされた鉄、ガラス、コンクリート材料を使った近代建築、その後第二次世界大戦の敗北を経て、現在の建築文化発展につながっているものと考えます。その第二次世界大戦の敗北という日本国存亡の危機のなか、荒廃した国土を復興したいと願う国民、建築関係者の並々ならぬ想いが結実し、昭和23(1948)年9月に前身となる社団法人東京建築代理士会が産声を上げました。この時日本は連合国軍の占領下にあり、サンフランシスコ講和条約(日本の主権回復)締結の2年前です。設立前年に建築代理士規則の発令があったことも設立要因だったのでしょう。設立から70年、明治150年を迎えようとしている今、協会とご縁のある方々の想いが、視えない襷として次世代へ、そしてさらに次世代へと受け継がれていくものと確信しております。この視えない襷、担当委員会を通じ次世代へ渡していく決意です(執筆にあたり「台東支部の歴史について」を参考にさせていただきました)。
戸張 毅(とばり・たけし)
1953年 東京都生まれ/有限会社日生建築設計事務所/板橋支部
理事
鳴海 義一
会員増強WG、会員研修委員会

 このような大役を仰せつかり微力ではありますが、諸先輩、会員の皆様にご協力をいただき、より良い会になるように活動していく決意です。
 現在、会員は微増してはいますが、建築を志す学生、子どもたちが減少傾向であり、このままですと将来は建築設計に携わる人が減少していきます。また、現在では、廃業する方も増加傾向にあり、おのずと協会会員も減少してしまいます。
 将来を担う子どもたちや学生に、建築のやりがい、素晴らしさ、喜び、ものづくりの楽しさを認識してもらい、安心で安全な街づくりに貢献していく人づくり活動を通して、今以上に、地域、行政に信頼される事務所協会に発展できるように、知恵を使い、体を使い、努力してまいります。
鳴海 義一(なるみ・よしかず)
1954年 東京都生まれ/有限会社鳴海建築設計事務所/墨田支部
理事
青谷 懿
業務技術委員会、建築相談室

 第5ブロックの推薦をいただき、理事を拝命いたしました。
20年前に業務委員を6年、その後支部長4年、現在建築相談室委員、住宅専門家相談委員(紛争処理支援センター)等を担当しました。
 今回分掌となりました両委員会とも、扱う内容は多岐にわたり、広く深い対応が求められます。新任で万不慣れでありますが、若い会員にも喜んでもらえる,頼りになる事務所協会であるよう、委員会皆様とともに頑張りたいと思います。
 先ずは「会員ファースト」に軸足を…と考えます。
 趣味:ウォッチ&ウォーキング(20〜30㎞を年に20回程度)
 心配ごと:事業承継(知と財務の離散、消滅)
 挑戦:古文書を読む
青谷 懿(あおたに・あつし)
1947年 石川県生まれ/福井大学工学部建築学科卒業/1973年 アトリエイクス開設/1981年〜 株式会社アトリエイクス代表取締役/江戸川支部
理事
斎藤 正
会員増強WG、指導委員会

 平成29年度本会総会において第6ブロックの推薦をいただき理事に就任いたしまた。
 私の運営する事務所は、昭和36(1961)年、先代が所長を務めていた時に入会いたました。その後、昭和56年(1981)より私が専任者となり現在に至っています。その36年の間に勤めました委員の経験を活かし、先輩各位並びに皆様のご助言、ご協力を仰ぎつつ当会の発展に微力ながら貢献できれば幸いです。
 担当させていただく委員会は、会員増強WGと指導委員会です。会員増強については難しいテーマではありますが、入会を希望したくなるような環境の整備、入会がひとつのステータスとなるような発案を模索していきたいと思います。また、そのために当会の「認知度」および「知名度」のUPは必須と考えています。私の属する第6ブロックでは地域の市民もとより行政においてもまだまだの現状です。少しでも入会希望者が増加するよう皆様のお力をお借りしながら活動してまいりたいと思います。
斎藤 正(さいとう・ただし)
1951年 東京都生まれ/武蔵野美術大学造形学部建築学科卒/株式会社斎藤建築設計事務所/たちかわ支部
理事
中田 千恵子
事業企画委員会、賛助会員会

 第6ブロックの推薦をいただき、初めて理事に就任いたしました。
 長年、編集専門委員や建築ふれあいフェア委員などで比較的会員の皆様とお付き合いできる場で活動させていただいていました。
 この度は、このような大役を仰せつかり、会員各位のご助言、ご協力を仰ぎながら、まことに微力でございますが、当協会の隆盛に向けて努力致す所存でございます。
 私は、事業企画委員会と賛助会員会の担当を拝命いたしました。新人の上、機構改革後の体制が動き出したばかりで、どのようなことになりますか右も左もわからない状態です。少しでもお役にたてるよう、会員にとって合理的な利益が得られる協会であり、気持ちよく楽しく活動できる場をつくる手助けができたらと考えます。
 また、この建築業界も、うれしいことに若い女性建築士の進出に目覚ましいものがありますが、育てていく環境が未だ追い付いていないように思います。厚くて高い壁を前に、少し先を歩くものとして心していること。それは「女性だから……」ではなく、「さすが女性は……」を目指して、これからも日々の業務に取り組みます。
中田 千恵子(なかだ・ちえこ)
1953年 東京生まれ/インテリア設計事務所スペース201、日研学院講師を経て現在、一級建築士事務所ハウジング工房代表/北部支部
監事
富樫 亮
 この度千代田支部よりご推薦をいただき、監事に就任させていただくことになりました。たいへん光栄であると共に、重責に身が引きしまる思いです。
 私は、建築の設計監理を生業として30数年になりますが、この間建築を取り巻く社会環境は大きく変化しました。社会が建築と建築士に期待する役割は年とともにますます多様化、高度化しています。このような中でクライアントの期待に応えて行くためには、われわれ自身にさらなる工夫と努力が必要であると共に、世の中に対して効果的な働きかけを続けることも重要であることを日々実感しています。
 この数年間は、千代田支部の役員として建築士事務所協会の活動に参加してまいりましたが、支部活動を通じて、建築士事務所協会が建築の設計監理を生業とする立場を共有する唯一の団体であることを改めて実感しました。
 建築の設計監理は専門家の領域に属する業務ですが、でき上がった建築は一般社会に広く理解され受け入れられなければなりません。私たちの生業を社会に理解していただくため、でき上がった建築はもちろん、すべてのチャンネルで社会に向けて働きかけていくために微力ながら全力で取り組む所存です。
富樫 亮(とがし・りょう)
1955年 新潟県生まれ/早稲田大学理工学部修士課程修了/1980年 株式会社日建設計入社/現在、同取締役常務執行役員 エンジニアリング部門統括/千代田支部
監事
安藤 欽也
 理事を連続3期目務め、業務委員会担当として活動を行ってまいりましたが、この度は、理事を退任し、監事に就任いたしました。
 監事の役割は協会が一般社団法人としての適正な活動を行っているかを監査する立場となり、今までの理事の役割とは少し異なっていますが、協会が社会に対してその意義を発信し、協会員の立場を社会的に認知させていく上での役割は同じように考えています。  平成21年に建築士法が改正され、建築士事務所協会は法定団体として規定され、建築士の社会的役割とは別に建築士事務所としての社会的位置づけがなされました。当協会が果たす社会的役割を認識し、適正に会が運営されていくことを改めて見ていくことになります。建築士事務所を取り巻く環境は、必ずしも良い状況にはありません。年々建築士事務所の登録件数は減少しています。特に個人事務所ないしそれに近い事務所では、管理建築士の高齢化が進んでおり、そのため事務所閉鎖が増えてきています。事務所閉鎖は、単にその事務所のみの問題ではなく、抱えておられた顧客への影響も発生します。事務所が健全に運営され、またその引き継ぎも健全に行われるような体制があることも、建築士事務所への信頼感が得られるひとつの要因かと思います。建築士事務所が健全な運営ができるような体制を支えることも協会の重要な役割と思っています。
 監事として、協会が会員の皆様が安心して業務を行える環境を整える活動をより行っていくよう努力していきたいと思っています。
安藤 欽也(あんどう・きんや)
1944年 東京都生まれ/1967年法政大学工学部建設工学科建築専攻卒業/1967〜2002年 株式会社フジタ/2003年より安藤構造計画室室長/渋谷支部
監事
竹松 和利
 第6ブロックより推薦いただき、監事に就任いたしました。平成25年度、27年度と2期にわたり、副会長を務めさせていただいておりました。今期は、監事を仰せつかりまして、新たな気持ちで務める所存です。
 思えば、本会に入会いたしましてから20数年、その間、会の機構もいく度か変遷し一般社団法人となりました。また、社会情勢もいっそう厳しくなり、それにつれて設計事務所の業務もより厳しく細かな負担を強いられるようになったと感じます。
 そのような社会の変化に上手く対応するために、本会は柔軟性をもった組織である必要があると思います。公平な眼と柔軟性というふたつの姿勢を持って、自らも律することも忘れずに、監事の職責を果してまいりたいと思います。
竹松 和利(たけまつ・かずとし)
1949年 東京生まれ/日本大学法学部卒業/1983年 事務所設立/現在、有限会社竹松建築設計事務所 代表取締役/北部支部
専務理事
前川 秀則
事務局総括

 「何様のつもりだ。」という怒声の洗礼から始まった2年間。この間、「商店から中小企業へ」をスローガンに、理事会資料の定型化、事務所移転から始まりBCPの策定、人事総務関係の諸規定の見直し、果ては、定款変更、定款細則の改訂、役員選出方法の抜本的改正まで、大内達史会長の指導の下、事務改善を進めてまいりました。
 基本的に皆様の会費で協会が運営されるという形態は、税収で活計を得ていた者としては似たものを感じており、少しでも効率的な会の運営を行うよう心がけております。今後、建築士事務所が減少していく中にあって、どのようにすれば当会が発展していけるのか、その道を探るのが次の2年間だと考えております。会員の皆様が、人間関係が広がり業務にもつながっている、耐震について新たな技術的な知見が得られた、社会的貢献の場が得られた等、当会に入会して良かったと言っていただける協会にしていくための裏方として今後も一生懸命努めてまいりたいと存じます。
 今日、梅雨が明け落雷が多く発生しておりますが、今後も2年間、春雷程度に元気な会長の雷が落ちることを願っております。ただし、雹を伴うのは困りますが……。
前川 秀則(まえがわ・ひでのり)
1954年 三重県生まれ/早稲田大学法学部卒業、政策研究大学院大学修士課程修了/1978年 東京都庁入都/2015年 東京都建築士事務所協会専務理事
タグ:役員挨拶