


綾瀬川から中川へ流れる垳川は、水が滞留して植物プランクトンが大量発生し、水質のとても悪い川でした。平成二〇〜二六(二〇〇八〜二〇一四)年、「地域に愛される川」の水質改善事業が行われ、大量のヘドロ除去、綾瀬川と垳川の水位差利用の導水による滞留改善、高濃度酸素供給、落差曝気装置整備などで、酸素供給を行って微生物の活性化を促し、水質改善がなされ、ボラやコイが泳ぎ水草にトンボが産卵する川辺が再生されました。
神明・六木遊歩道は、昭和六〇(一九八五)年ごろ二五メートルあった垳川の川幅を三分の一にして、江戸時代に植えられた堤防林のケヤキ、スダジイ、竹類などを活かしてつくられたものです。いろいろな生きものが棲めるよう環境を整えて、川辺にちなんだテーマの多くの広場にも繋がる遊歩道として生まれ変わりました。「がけがわ 川と森の宝物さがし観察会」、六木小学校「自然体験学習」などの活動展示が遊歩道にあり、区民や対岸の八潮市民に愛されています。スケッチ時は紅葉と童心に返り見事な大木の恵みのドングリ拾いを楽しみました。
江戸時代からの自然資源の潜在的魅力を再発見して、人と共生する生態系を守るあだちの環境への取り組みと公園づくりをご紹介します。

横村 隆子(よこむら・たかこ)
東京都建築士事務所協会足立支部、横村隆子YHT環境設計
1955年 東京都生まれ/1977年 日本大学理工学部建築学科卒業後、黒澤隆研究室、板垣元彬建築設計、水沢工務店設計部、UG都市開発を経て、1996年 横村隆子YHT環境設計設立
1955年 東京都生まれ/1977年 日本大学理工学部建築学科卒業後、黒澤隆研究室、板垣元彬建築設計、水沢工務店設計部、UG都市開発を経て、1996年 横村隆子YHT環境設計設立
記事カテゴリー:歴史と文化 / 都市 / まちなみ / 保存
タグ:スケッチ