建築倉庫ミュージアム+リンナイ社見学会
文京支部
平松 良洋(株式会社新環境設計取締役会長、東京都建築士事務所協会文京支部支部監事)
国立代々木競技場の模型。(撮影:筆者)
 平成28(2016)年10月19日、夏の名残の暑さの中、東京都建築士事務所協会文京支部の研修会参加者7名は、品川・天王洲に集いました。今回の研修先の2カ所は、偶然近在するだけでまったく質の異なるものでしたが、共に建築設計に関わる者としてたいへん興味深く、参考になりました。
 「建築倉庫ミュージアム」はユニークなネーミングの施設です。われわれが建築を設計する際、クライアントにその姿を理解していただくため、あるいは設計者自身の空間デザインのツールとして作成する大小の建築模型を、収蔵・展示している施設です。平成28(2016)年6月にオープンしましたが、そのきっかけは、同地で長年美術品等の梱包、移送、所蔵管理などを行ってきた倉庫会社の社屋建て替えだったそうです。同社のオーナーと社屋設計を依頼した建築家との話題の中で、建物・施設を設計する上で各種模型が大切な位置を占めていること、試案・提案での重要性もさることながら、建築模型が環境を含めた建物・施設全体を広く多くの関係者にアピールできる媒体であり、美的要素も多分に持っていることをオーナーが理解され、保管場所に困っている設計家のために新設本社の一部を割いて倉庫として提供したものだそうです。温度・湿度管理された450m2、天井高5.2mの室内に、現在すでに300体ほどの模型を預かって保管しており、その一部100体ほどが展示公開されています。保管については有料ですがイベント等で必要なときには施設外の移動展示などにも応じているそうです。設計者が保存を希望しているだけに、実に精巧につくられた作品が多く、海外からも多くのミュージアム来場者があるとのこと。またわれわれに馴染みある作品、有名建築家の作品等もあり、一見に値する施設でした。
 同じく品川区東品川にあるリンナイ株式会社関東支社では、戸建て住宅、マンション等の集合住宅へのエコ給湯システム、ガスと電気のコラボともいうべきハイブリッド給湯システムの実物機器の見学とレクチャーを受けました。地球温暖化防止のためのCO2排出削減と経費軽減のダブル効果が期待されるシステムであり、主に住宅向けに普及を図りたいとのことでありました。
 以上の研修を終えて後は、近年大いに開発が進んだ品川駅東口近くで懇親会を行い、情報交換と共に大いに盛り上がり、たいへん有意義な研修会でした。
建築倉庫ミュージアムに展示されている模型。
平松 良洋(ひらまつ・よしひろ)
株式会社新環境設計取締役会長、東京都建築士事務所協会文京支部支部監事
http://www.shinkankyo.co.jp/
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