第2ブロック研修見学会
第2ブロック/台東支部
栗田 幸一(東京都建築士事務所協会台東支部支部長、株式会社栗田建築事務所)
未完の明治建築をリノベーションした「国際子ども図書館」。 撮影:筆者
「国際子ども図書館」内部。 撮影:筆者
世界遺産登録された「国立西洋美術館」の前庭に設置されたロダン作の「カレーの市民」。撮影:筆者
「国立科学博物館」。撮影:筆者
「東京文化会館」のスロープ。撮影:筆者
東京国立博物館の「法隆寺宝物館」(設計:谷口吉生、平成11/1999年)。撮影:筆者
「上野東照宮」(慶安4/1651年)。撮影:筆者
 残暑厳しい平成28(2016)年9月3日(土)に、第2ブロック(文京・荒川・北・台東の4支部)総勢20名で、世界遺産登録された「国立西洋美術館」を中心に上野界隈の建物を見学してきました。
 上野には明治23(1890)年に建てられた「旧東京音楽学校奏楽堂」(重要文化財)があります。現在保存活用工事中で、現場の見学の相談をしたのですが日程が合わず断念。「国立西洋美術館」も内部の説明をと掛け合いましたが、これも時間が合わず断念。思うに任せません。
 しかし台東区には頼もしい助っ人がいました。「台東区観光ボランティアガイド」です。2名以上の方々がガイドを希望すると、1コース約2時間、無料で台東区の各所を案内していただけるのです。私は生まれも育ちも浅草3代目の人間ですが、上野界隈は通過することはあってもいくつかの施設を除いては、しっかり見学するのは初めてでした。
 ガイドしていただけるのは17コースあり、今回は「上野建物」コースです。「国立西洋美術館→東京文化会館→国立博物館→表慶館→旧奏楽堂→赤煉瓦1・2号館→国際子ども図書館→京成電鉄旧博物館動物園駅→黒田記念館→東京都美術館」と2時間たっぷり、酷暑の中を歩いて見学しました。
 鉄骨補強煉瓦造の「国際子ども図書館」は、明治39(1906)年に未完のままオープンした「帝国図書館」を、安藤忠雄ほかの設計によりリノベーションし、平成14(2002)年に竣工したものです。内部は外観とは違った迫力があり、天井が気持ちよく吹き抜けている部屋があったり、小学校の階段を思い出させる階段が設えられて楽しく見学できました。
 自由見学の時間には、東京国立博物館の「法隆寺宝物館」(設計:谷口吉生、平成11/1999年)に。水面を歩くようなアプローチを進むと、無垢の鉄骨柱に支えられたホールに包み込まれました。
 懇親会の集合時間が迫る中、「上野東照宮」(慶安4/1651年)もと、かなり疲れていましたが見学しました。江戸時代は大名の「格」が重んじられているのが理解できました。最後は、皆様お待ちかねの懇親会。会場では時間前から個人的に懇親なさっていた方も合流し、盛大な会となりました。
栗田 幸一(くりた・こういち)
(一社)東京都建築士事務所協会台東支部支部長、編集専門委員会委員長、株式会社栗田建築事務所
東京浅草生まれ/祖父、父と3代目/1970年 東海大学工学部建築学科卒業/1970〜74年 伊奈建築設計事務所/1975年 父の経営する株式会社栗田建築事務所入社し、現在に至る/(一社)東京都建築士事務所協会台東支部支部長、編集専門委員会委員長
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