思い出のスケッチ #295
海に浮かぶ軍艦島
根本 利英(東京都建築士事務所協会南部支部/株式会社根本建築設計事務所)
 軍艦島の通称で知られる端島は、長崎県長崎市(旧高島町)にある島です。遠望が軍艦に似ているためその名がつきました。
 明治から昭和にかけて、海底炭鉱によって栄え、最盛期は面積が僅か六・三ヘクタールの島に、約五、二〇〇人が暮らしていました。
 一九六〇年(昭和三五年)には、人口密度が一平方キロメートルあたり八三、六〇〇人と、世界一を誇り、炭鉱施設、住宅のほか小中学校、店舗、病院、寺院、パチンコ屋、社交場と都市機能を有していましたが、主要エネルギーが石炭から石油に移行したことにより衰退し、一九七四年(昭和四九年)に閉山しました。
 スケッチは、二〇一五年(平成二七年)一〇月一七日〜一九日、東京都建築士事務所協会南部支部の研修旅行として、十四名で、長崎・佐賀方面を旅した初日の午後、軍艦島を訪れた時のものです。
 羽田空港から長崎空港に一〇時ごろ到着し、原爆記念碑を見学後、バイキングの中華の昼食を済ませ、やまさ海運(株)から軍艦島上陸の注意事項の説明後、乗船しました。軍艦島は外海に面しているため、海の状況次第では上陸接岸が困難となる場合があるとのことでしたが、当日は天候に恵まれ上陸することができました。
根本 利英(ねもと・としえい)
株式会社根本建築設計事務所取締役社長、東京都建築士事務所協会南部支部 副支部長
1947年 福島県生まれ/日本大学付属東北工業高校建築科卒業/1977年 株式会社根本建築設計事務所設立