VOICE
小林 正典(東京都建築士事務所協会会誌専門委員会・品川支部、株式会社相和技術研究所)
年度末の忙しなさも一段落し、気が付くと桜が満開。私のオフィスの近くの目黒川では、両岸の桜が咲き誇り、淡いピンクのトンネルができていました。川沿いをボーと眺めながら散策すると、色の効果か?香りの効果か?段々と気持ちが穏やかになり、新鮮なアイデアが浮かんできたりします。
 頭の思考が凝り固まった状況が続くと、脳のバイアスを切り替えた方が良いといいます。そのバイアスはオフィスの中で必死に考えているよりも、外でボーとしている時の方が切り替わりやすいようです。
 目黒川は、私の脳のバイアスを切り替える良い環境であり、思考の効率性を上げる場でもあります。特にこの時期の約800本、4km、満開の桜並木は相乗効果を生み出します。建築に求められるのが耐久性であるとすれば、桜に求めるのは一過性の満開でしょうか。早朝の散策は訪れる人も少なく、色々なアイデアが浮かんできます。
ひと昔前は、桜の木の下でブルーシートを敷いて、みんなで集まって桜を楽しむ光景をよく見かけました。若手社員は朝から場所取り、できればコンビニの近くの場所を取って宴会準備みたいな。床に座って桜を楽しむ姿が、日本のお花見観であったように思います。
 最近は、桜の中を散策しながら、映える場所で写メを撮って楽しむスタイルへ変化したように思います。特に訪日客に選ばれる人気スポットでは、そのようなスタイルへ進化した印象です。そこから桜映えする画像が、SNSを通じて世界中に広まっているのでしょうか。先日、東京に訪れた外国で暮らす私の友人も、スマホ片手に散策しながら、桜映えするスポットを狙っていました。
この時期は、少し時間をつくり、ちょっと遠回りしながら、桜の中に身を置きたいと思います。心身の波が新年度に向かって整えられていくような感じがします。日本人がもつバイオリズムでしょうか。今年度もスタートし、色とりどりの花が咲く年度になれば良いなと思います。
小林 正典(こばやし・まさのり)
東京都建築士事務所協会会誌専門委員会・品川支部、株式会社相和技術研究所
カテゴリー:その他の読み物
タグ:VOICE編集後記