江東支部 名古屋・岡崎研修旅行
江東支部|令和6(2024)6月7日、8日@名古屋・岡崎
藤井 達生(東京都建築士事務所協会江東支部副支部長、藤井建築設計事務所)
知立神社多宝塔。
岡崎城で記念写真。
「ポートメッセなごや」第1展示館内部。
名古屋城で記念撮影。(撮影:蓼沼 芳)
 夏の始まりを感じさせる6月初旬の2日間、江東支部研修旅行を行った。行先は、昨年の大河ドラマ「どうする家康」にゆかりのある愛知県の岡崎、名古屋を中心に、歴史的な建物と現代の建物を視察する研修で、5名が参加した。
 はじめに、熱田神宮・三嶋大社と並び東海道三社に数えられ、また家康の側室のおまんの方(ドラマでは松井玲奈が演じた)とゆかりがある「知立神社」に行った。神社の方から、配置図で社殿の配置の変遷と尾張式の社殿の説明を受けた。また、国重要文化財の多宝塔やおまんの方の書状も見学できた。歴史のある建物は、パンフレットなどの解説を読むとある程度わかった気がするが、その成り立ちや建物の変遷を配置図や資料にて丁寧にご説明をいただき、より深く理解できた。その後、知立松並木、「無量寿寺」を見学し、家康生誕の地の岡崎に移動した。
 まず「八丁味噌資料館」の見学と八丁味噌料理を堪能した。明治40(1907)年完成の資料館は、国の登録有形文化財に登録され、味噌づくりは、大きな樽を使い、石積み、踏み込みの作業は、今も職人によって行われていると説明を受けた。
 その後、岡崎城に向かった。岡崎城は、改修工事が終了し、城の周囲の修景工事を含めて携われた、株式会社中根組の中根社長様より改修工事の難しさや苦労されたことなど、お話しを伺いながら見学した。現場で苦労された話は自分のことのように共感でき、岡崎城がとても身近に感じる存在になった。
 移動し「岡崎市美術博物館」を視察した。平成8(1996)年完成の栗生明氏の設計で、多方面で紹介された建物であったこともあり自由視察とした。池への斜面を活かして地中部分を美術館とした発想と、エスカレータの吹き抜けから光を採り入れる工夫に感銘を受けた。
 夕食は、名古屋の「玉翠」で、味噌鍋を堪能し親睦を深めた。
 翌日は、「ポートメッセなごや」(名古屋市国際展示場)に向かい、コンベンションセンターと第1展示館を見学した。竹中工務店の設計施工で、特許を取得した木材の構造材をふんだんに使用し、構造計算から導かれた木材の柱梁の微妙な角度のずれを活かした大空間には心地よさを感じた。愛屋博司館長のご説明によれば、2022年に新たに竣工した20,000㎡を超える展示館は、見本市・展示会・コンサートなど異なる用途でも使用可能なように、館長自身が設計段階からプロジェクトに参加され、来訪者や運営の立場になって、搬入動線や参加者の動線などきめ細かい部分まで話合いをされ実現したとのことであった。運営に携わる方でなければわかりにくい部分について、打ち合せを重ね実現をされた行動力は見習いたいと思った。
 昼食は、「あつた宝来軒」のひつまぶしを食し、名古屋城に向かった。特別史跡の名古屋城は現在、見学ができるところ、できないところがあり復元工事や改修工事が進められている。今回は、「本丸御殿」、「西の丸御蔵城宝館」を視察し、最後は、「徳川美術館」と隣接する池泉回遊式の日本庭園「徳川園」を視察した。
 岡崎出身で当支部役員である竹中工務店の荻野氏の計らいもあり、それぞれの視察地で、ご説明いただく方々から、建物のご説明だけでなく、とても綿密に施工中の話、建物を管理している中での話など、幅広く伺うことができたことや、岡崎・名古屋を代表する食や文化、歴史に接することができ、とても有意義な研修であった。
藤井 達生(ふじい・たつお)
東京都建築士事務所協会江東支部副支部長、藤井建築設計事務所
1965年 東京生まれ/1988年 芝浦工業大学建築学科卒業/1988年 株式会社石川洋美建築計画研究室 入社/2021年 株式会社藤井建築設計事務所 設立、現在に至る
カテゴリー:支部 / ブロック情報
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