江戸川区は沖積層の平野で、大河川の荒川と江戸川、東京湾とで三方を水に囲また地であり、江戸時代では農業が盛んで、無数の用水路があったことから、緑と水を親しむことができたまちでした。
　戦後の経済成長とともに農地が減少、悪いことに多くの用水路がドブ川と化してしまいました。その後上下水が整って行き、不要となった用水路を埋め立てるべきとの声が上がる中、地域と行政が協力し、「水とみどりのうるおいあるまちづくり」を推進して、現在では区内全域に23か所の親水公園・親水緑道が生まれました。
　区民ひとり当たりの樹木数10本、公園面積10㎡超えを目標に掲げ、今やあまり知られていないようですが、23区内で公園面積が最も広い区となりました。
　今では全国に親水公園がありますが、日本で初めて親水公園をつくったのが江戸川区なのです。その記念すべき第一号は「古川親水公園」で、1973（昭和48）年に開園されました。都会では回復不可能と思われた「清流」がよみがえり、1982（昭和57）年にナイロビで開催された「国際人間環境会議」で紹介されるなど世界各国で大きな反響を呼び起こしました。
　それぞれの公園が地域に愛され、沿川の町会・自治会を中心とした「愛する会」が発足し、その潤いのある環境をまもってくれています。
　「花や緑とともに暮らしましょう」をスローガンとする区民のボランティア活動も盛んで、全国花の町コンクールで「花のまちづくり大賞」を2007（平成19）年に受賞しました。
　さらには、夏季の期間には、適切な水質管理のもと、「じゃぶじゃぶ池」と称して子どもたちが水と親しむことができる場が区内各公園にあるのが素晴らしいところです。