学⼠会館にて千代⽥⽀部総会開催
千代田支部|令和6(2024)年4月22日(月)@学士会館
古⽥ 秀⾏(千代⽥⽀部編集員、エノア総合計画事務所)
外観全景。左側が新館、右側が旧館。新館部分設計:藤村朗。旧館部分設計:⾼橋貞太郎。
懇親会会場となった旧館201号室。
201号室の天井。柱と梁の接合部分の「持ち送り」には⽯膏でつくられたアカンサスの葉の装飾。
同室のオーケストラ用のバルコニー。
川瀬普也⽀部⻑の挨拶。
樋⼝千代⽥区⻑の来賓挨拶。
⽀部総会
 昨年に引続き千代⽥区内の歴史的建造物である学⼠会館にて⽀部総会を開催した。
 総会の冒頭、川瀬普也⽀部⻑の挨拶で始まり、昨年度の協会活動の充実と会員増強に向けての具体的な活動の報告、また今年度のさらなる会員増強の活動ならびに業界のさまざまな問題や業務改善に取り組むとする決意表明があった。総会の議案は、令和5年度事業報告・決算報告、令和6年度事業計画・予算案・⽀部役員推薦の4つの議案で、すべて承認となった。
懇親会
 その後総会懇親会は隣の部屋201号室で、来賓として千代⽥区から樋⼝⾼顕区⻑、武貴志建築指導課⻑、協会本部より千⿃義典会⻑、⽀部耐震部会新主査の永坂具也東海⼤学名誉教授を交え、総勢67名で⾏われた。懇親会は、川瀬⽀部⻑の挨拶で始まり、樋⼝千代⽥区⻑、千⿃会⻑、安藤常任理事の挨拶をいただいた。乾杯の⾳頭は、富樫副会⻑の楽しいエピソード交えたお話で始まり、和やかな雰囲気で懇親会が進⾏していった。進⾏の合間に、新役員、新⼊会員、新⼊協⼒会員の紹介のコーナーも設けることができた。懇親会は約2時間があっという間に過ぎ、武建築指導課⻑の挨拶、最後に脇副会⻑の三本締めで閉会となった。ほぼ昨年と同等の参加⼈員となったが、マスク着⽤をされている⽅がほとんど⾒受けられず、コロナ前の状況に近づいていることを感じた。
学⼠会館の休館と再開発
 昨年に続き千代⽥⽀部総会および懇親会会場として利⽤させていただいた「学⼠会館」だが、残念ながら今年⼀杯で休館と発表されている。学⼠会館は関東⼤震災の震災復興建築で、旧帝国⼤学同窓会の親睦・交流のための施設として、1928(昭和3)年、東京⼤学発祥の地、ここ千代⽥区神⽥錦町に建設され国登録有形⽂化財となっている。しかし完成後96年の歳⽉を経たことによる⽼朽化、また⽩⼭通りの拡幅に伴い、新館部分(設計:藤村朗)を解体し、旧館部分(設計:⾼橋貞太郎)は7mほど曳家して保存され、隣接ビルとともに再開発されるとのこと。
 この千代⽥区を代表する歴史的建造物のひとつである学⼠会館にて、今期も総会を⾏いたいという多数の⽀部委員の意⾒により、会場のスケジュールに合わせる形で、例年より早い時期の総会開催となった。
 懇親会会場となった201号室は、建設当時の姿がよく残されている宴会場である。柱と梁の接合部分の「持ち送り」には⽯膏でつくられたアカンサスの葉の装飾があり、部屋の奥にはオーケストラ⽤バルコニーが設けられているのが特徴として挙げられる。学⼠会館ホームページの発表では、来年1⽉より休館、4⽉より解体が⾏われ、期間は約5年とのことであるが、詳細は検討中とのことである。この歴史ある学⼠会館最後となる年に総会を開催できたことを有意義に感じるとともに、数年後再開発完了の折、再びこの会場で総会懇親会開催を期待する。
古田 秀行(ふるた・ひでゆき)
株式会社エノア総合計画事務所取締役 計画設計第一部長、東京都建築士事務所協会千代田支部編集委員
1957年 東京生まれ/1979年 日本大学生産工学部建築工学科卒業/株式会社間組建築設計部を経て、2003年 株式会社エノア総合計画事務所入社、現在に至る
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